薬の有害事象についての記事にコメントが多い件
2023年11月のこちらのブログの記事なんですけど
いただくコメントの数が他の記事よりも多くてですね。
それだけ薬に対して関心があるのかなあと思うのですが
薬剤に対する有害事象って解釈がすごく難しいなあと感じることが多いです。
本日も新しいコメントをいただきました。
直接その猫さんを診察させていただいたわけではないので
確実なことは言えないという前提での話にはなりますが
お話からお伺いする限り、ソレンシアはあまり死因とは関係ないように思われます。
一番は注射した獣医師の先生に直接確認するのが良いとは思いますが
おそらくタイミング的にソレンシアを注射しなくても
同様の結果になっていた可能性が高いように思われます。
もともとソレンシアは関節炎に対する注射薬なわけですが
適応外の使用ということで患者様との同意の上で
口内炎や口腔内の腫瘍の疼痛緩和目的で使用されているみたいです。
結果、病態が進行し、猫さんの状態が悪くなってからも
投与を続けることで
あたかもソレンシアを注射した後に死亡したように見える
という状況が作り出されてしまうのかなあ、と考えています。
SNS界隈では
ソレンシアが悪者扱いされていることもあるみたいですが
そのほとんどが患者さん側のご意見みたいで
実際の薬剤と有害事象の因果関係は現在のところわかってはおりません。
個人的には
ソレンシアはすごく良い薬だなという印象ですし
この薬によって生活の質が改善した猫さんは実体験としてもたくさんいらっしゃいますし
世界中にもたくさんいるんだろうなと感じます。
確かに、有害事象については心配な部分はありますし
今後の情報にも注視していきたい部分はありますが
現時点では、症例をきちんと見極めた上で使用するのであれば
安全性の高い薬剤なのではないかなという認識でございます。
あんまりソレンシアについて良い風に書くと
一部の方々からは攻撃されてしまうのかもしれません。
それでも一般的にはこちらの論文にもあるように

https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2024.1395360/full
ソレンシアやリブレラは
猫さんと犬さんのQOLを改善させる薬剤であるという認識ではあるので
今後新たな情報が入ってこない限りは
引き続き、当院では使用するとは思います。
それでは今日はこのへんで。
先生,いつも拝見させて頂いています。
ご存じのように,FDAもリブレラによる副作用への警告を発表していますが
(https://www.avma.org/news/fda-adverse-events-dogs-reported-monoclonal-antibody-drug)
CKDを患っている犬にも,リブレラの使用は問題ないでしょうか。
近所にもリブレラ使用後1か月して亡くなった子がおり,慎重になっています。
>R様
コメントありがとうございます。
慢性腎臓病に罹患している犬さんへのリブレラの投与についてですが
腎臓病のステージやわんちゃんの全身状態にもよるとは思います。
全身状態が良い子に関しては、基本的には問題ないと考えておりますが
そもそもは関節炎に対する治療薬になりますので
慢性腎臓病により食欲や活動生の低下を認めたり、消化器症状がある場合などにわざわざ打つ必要性はないような気がします。
慢性腎臓病に罹患したわんちゃんに限ったことではないですが
リブレラを投与することで、関節炎による痛みから解放されることによって享受できるメリットが大きい場合に投与を検討するべき薬剤かと思います。
リブレラを投与した一ヶ月後に亡くなったわんちゃんに関しては
詳細が不明なので確かなことはわかりませんが
投与後からかなり時間が経っているように思われるので
その他に死因となる基礎疾患が隠れていた可能性も十分あるのではないかと思います。
先生,お忙しい中,丁寧な御返信を頂き,ありがとうございました。
リブレラについての考え方,理解できました。
手術や診察でご多忙な折,くれぐれもご自愛ください。