日本獣医心エコー図学会
今年、新しい学会が設立されました。
人間の方には
循環器学会とは全く別の組織として
心エコー図学会というものが存在します。
超音波検査というものは
腹部、心臓、肺、頚部、関節、皮膚など
身体のあらゆる部位で行われている検査ではありますが
心臓のエコー検査は、それだけで一つの分野となるぐらい奥が深いのかなと思います。
小動物臨床に関わる獣医師の中で考えても
心臓の超音波検査を苦手とする獣医師は多いみたいですし
循環器を得意とする先生方の間でも
心臓のエコー検査の技量には差があるように見受けられます。
人間と比較し、犬猫さんやその他の小動物の多くは
身体自体が小さいですし
結果的に、標的とする心臓も小さくなります。
一般的に動物は体格が小さくなればなるほど心拍数は速くなる傾向にありますので
わんちゃんよりは猫さんの方が心臓は小さくて心拍数が速いので
より高度なテクニックや画像を読み取る眼が必要になるように思います。
僕も犬猫さん以外だとフェレットさん、うさぎさんぐらいしか
心臓のエコー検査を実施したことはないですけど
正直、あんまりわからないなあっていう印象でした。
やっぱり体が小さければ小さいほど難しいように思います。
何で心臓のエコーが苦手な獣医が多いのかなって考えた時に
ちゃんと教わる機会なんてほとんどなかったからなのかなと思います。
大学で心臓超音波検査について
自分の手で実習することなんて、6年のうちのほんの数分でしたし
卒業して勤務し始めてからも
その動物病院がどういう病院かによって教えてもらえることはかなり変わるような気がします。
そもそも循環器が好きな獣医さんは少ない印象ですし
循環器疾患を得意とする動物病院の方が数は圧倒的に少ないわけですから
働いてから学ぼうにもなかなか現場で技術を習得というわけにもいかないのかなと。
なので、こうやって心エコー図検査だけにスポットを当てた学会が設立されるのは
結構画期的なことなんじゃないかな、と個人的には考えています。
心臓超音波検査アレルギーみたいなのをお持ちの先生方も多いとは思いますが
こういう学会ができることで
動物医療全体の標準診療のレベルが上がっていけば
どこの動物病院でも一定のクオリティの検査が受けらますし
『心雑音が聴こえるから薬を飲み始めた方がいいです』みたいな言葉に騙され
何年も必要のない薬を飲み続ける、みたいな事態に陥ることが減るんじゃないかなと思います。
学会の立ち位置的には
小動物臨床全体からしたらマニアックな位置付けになるんじゃないかなと思うので
会員になる人は一定の循環器疾患や心臓超音波検査への関心があるとは思います。
そこの会員かどうかで
心臓の超音波検査についてどのように考えているかも
何となく患者様から見てわかる判断材料の一つになるかもしれないですしね。
とりあえず
さっき入会のご案内が届いてたんで
早速申し込んでみようかと思います。
それでは、今日はこの辺で。