獣医師ガチャ
サーカス動物病院の豊田先生は
『診察してもらう獣医師によって
動物とご家族の運命が大きく変わるのがイヤ』
つまりは『獣医師ガチャを無くしたい』ということを目的として
王道シリーズというセミナーを企画されました。
今日の昼
手術と検査が終わった後ぐらいの時間に
一本の電話が鳴りました。
『わんちゃんが心肺停止状態みたいなんですが、診てもらえないでしょうか。』
僕らの言い訳かもしれませんが
病院到着まで15分ほど経過してしまったこともあり
来院後すぐに心肺蘇生処置を開始しましたが
自己心拍再開には至りませんでした。
申し訳ありません。
気管挿管した直後に大量の血痰が出てきたこと。
心肺蘇生中のエコー所見などから
心原性肺水腫が原因による呼吸困難により心肺停止に至ったと思われる
そのわんちゃんは
呼吸がおかしいということで
2週間前に動物病院で診てもらっていたそうです。
結果、原因が何かわからないと言われたそうです。
ご家族から話を聞くと咳症状もあったみたいです。
一般的な僧帽弁閉鎖不全症から来る肺水腫なのであれば
おそらく病気自体は数ヶ月から数年前から始まっていた可能性があると思います。
ご家族としては
気になる症状があったから、動物病院を訪れたわけです。
表現の仕方が適切ではないかもしれませんが
結果的には、動物病院ガチャ・獣医師ガチャがダメだったのかもしれません。
こういうことが日常的に日本中で起きている現状がイヤで
豊田先生はセミナーを企画されたのかな、と思います。
何ともやるせない気持ちになりますもんね。
僕は今日そのご家族と初めてお話しさせていただいたわけですが
その子のことをすごく大事にされていた様子が伝わってきたので
助けてあげることができず
本当に申し訳なかったです。
2週間前にうちの動物病院に来てくれていたら
助けられたかもしれないです、とかは言いませんし
うちだって人によっては動物病院ガチャ失敗だったなとか
獣医師ガチャ失敗だったなって感じる動物病院だと思います。
でも、聴診器の当てるだけでもわかるような異常に対して
わからないです、と患者さんを帰してしまうことに関しては
なんかなって思います。
上記の豊田先生のセミナーの企画みたいなので
動物病院ガチャが無くなれば良いんですけど
ガチャ失敗例に選出されるような動物病院の先生は
きっとそういうセミナーを聴講しないでしょうし
きっと存在すらも知らないんじゃないかなと思っています。
だから僕は僕のやり方で
こうやってブログなんかで発信することで
動物病院って病院によって全然違うんだなっていう現状を
患者さん側に知ってもらうということを選択しています。
せっかく動物病院に行ったんだから
そのご家族の思いを無駄にしないような
そういう動物病院に自分たちの病院もなろうと思いますし
そういう病院が増えてくれたら良いなと思っています。
おしまい。