つぶやき
最高の時間
僕は内科の獣医師なので
慢性疾患を診させていただく機会が多いです。
循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、腎泌尿器疾患、皮膚疾患などなど
数え出したらキリがないぐらいバラエティに富んでおりますが
多くの子が2週間に1回や1ヶ月に1回、3ヶ月に1回など
疾患や病状に応じて、定期的に病院に来てくださいます。
毎月、身体検査だったり血液検査だったりエコーだったり
今回も大丈夫そうでしたね、と問題のないことを確認して
お薬を処方する感じの診察になるんですけど
そういう年月が数ヶ月、1年、2年・・・と続いていくと
心のどこかで
今回もきっと大丈夫だろうな、って思いが勝手に出てきてしまうんです。
でも、やっぱ病気ってそんなに甘いもんじゃなくてですね。
突然、何の前触れもなく病状を悪化させてきたりしよるわけです。
そういうことが続くと
なんでこんな理不尽なことが平気で起こるんだろうなあ、と
嘆きたくなると同時に
毎月毎月の今回も大丈夫そうですね、的な診察が
いかに貴重なものだったのかを思い知らされるわけです。
『変わらないこと』とか『維持』とか『当たり前』とか
後から考えると
そういう時間が案外最高の時間だったりするわけで
その時間をできるだけ長く提供できるような
そんな動物病院でありたいなと思いました。はい。