病名を知る
さっきまで麻酔外科学会の症例検討会に参加してました。
普段はあんまり聞くことのない整形外科とかの話もありました。
普段は骨折とか椎間板ヘルニアの症例に出会うと
基本的に紹介させていただいているので、少し新鮮な気持ちで聞いておりました。
そんな中、今日の午後
もっちーが椎間板ヘルニアの診断を受けました。
詳しくはこちらに書いてあります→https://ameblo.jp/minatomati9582/entry-12881814766.html
足が痺れていて、右足の感覚がないんだよねーという話は
僕はいつもの通り話半分で聞いていましたが
そこは本当だったみたいです。ごめんなさい。
うちにMRIがあれば、もっと早く自分たちで診断できたのかな。。。とかも思います。
診断をつける・病名がわかるということは
治療をするしないに関わらず
ご家族様にとってある意味では救いになるんだなと
感じることは少なくありません。
数週間の消化器症状が続いて、体重も徐々に減ってきて
対症療法ではあんまり良くなんない。
でも、ずっと同じ薬しか処方されなくって・・・という感じの
セカンドオピニオンの方も少なくありません。
そういう場合、猫さんだったら
消化器型リンパ腫のような悪性腫瘍が隠れていることが比較的多いです。
ここで
診断をするために、鎮静をかけてお腹の中に針を刺して細胞を取ってきたり
場合によっては全身麻酔をかけて内視鏡検査に進んだりするわけですが
いざ、リンパ腫と診断をついた後に
リンパ腫の治療の第一選択となる化学療法(抗がん剤)に踏み切るか否かに関しては
ご家族との相談になります。
いや、せっかく検査したんだから治療するでしょって考える方もいるかもしれません。
でも、化学療法にはメリットとデメリットがあるわけですし
リンパ腫自体、寛解はできるかもしれませんが
完治を実現することは非常に難しい疾患です。
そうなると、治療をしても生存期間の延長はあるものの
治ることはないという捉え方だってできるわけです。
そういうご相談をした結果
抗がん剤をやりません、という結論になることもあります。
結果的には検査をする前と
病状はあまり変化がないわけですが
どこかご家族様の表情は晴れやかであることが多いです。
もっちーが言うように
診断をして病名がわかるということ
苦しみの正体がはっきりするということは
心に平穏をもたらしてくれるのかもしれません。
もちろん、全てが全て診断がつくわけではないかもしれませんが
ハナからわかりませんと諦めるよりは
できる限り医療的なセオリーに従い、きちんと診断をつけて
その上での治療に進む方が
治療の効果の有無に関わらず
周りのご家族様の心境が悪くないことが多いように感じています。
やっぱり正体がわからない
どこかもやもやとしたものと戦い続けるのって精神的にきついですもんね。
治らないなら治らないときちんとわかってくれる方が
心に踏ん切りがつくのかもしれません。
きちんと診断をつけられる動物病院でありたいと思います。
それでは、今日はこの辺で。