我が儘
今年もあと残すところ数時間となりました。
皆様は今年はどんな一年だったでしょうか。
毎年のことかもしれませんが
たくさんの悲しいお別れもありましたし
嬉しい出会いもありました。
悲しいお別れの方はできれば避けたいわけですが
仕事柄、しょうがないこともあるのはわかっているつもりですし
これはこれからも同じような出来事があるのでしょうが
それでも来年こそは少しでも減らしたい、って
毎年考えているような気がします。
一年を振り返って
あの子が亡くなったのがまだ今年の出来事なのか
ってぐらい一年間が濃かったように感じますし
それも毎年のように更新されてきている気がしますね。
今年の最後の最後で
どうなるかわからない
まあまあ絶望的な感じにみんながなってしまう
そんなわんちゃんがいらっしゃいました。
この一年半前のブログ→https://minatomati-animalclinic.com/2023/05/11/2651/
に登場した子で
去年の5月に脳腫瘍の手術を受けました。
執刀した先生は
日本でも有数の脳外科の獣医師の先生で
なんと人間の脳外科医でもいらっしゃる
脳の手術だったら人間もわんちゃんもねこちゃんも何でもこいみたいな先生です。
その先生に、手術をした時点で
余命半年と宣告されてしまった
そんな犬さんでした。
誕生日がクリスマスなので
去年も余命を過ぎて誕生日を迎えられた時は嬉しかったもんですし
そこからまた半年経って
手術から一年が経過した時もすごく嬉しかったことを記憶しています。
そんなわんちゃんなのですが
今月の14日の夜から痙攣が止まらなくなりました。
その際に夜間救急の先生からは
安楽死の選択のお話も出たそうですし
普通に考えたら
脳腫瘍が頭の中にあって
余命宣告された期限も一年前に過ぎていて
痙攣が止まらない状況だったら
まあ、そろそろそういう時が来たのかなってなるんだろうなって思います。
実際、翌朝に僕が診察させていただいた時も
まだ痙攣しているような感じでした。
普通に考えたらちょっと厳しい状態だなってなるのかもしれません。
でも、まあ、僕のわがままとでも言いますか
ここから状態を改善させることも
無理ではないんではないかな、という気持ちもあったので
少し預からせて治療させていただきました。
そしたら昼過ぎぐらいには
くるくる回りながらフラつくものの
少し歩けるような状態にはなっていて
一度家に帰ることにしました。
ご家族様もすごく喜んでくださっていて
ちょっと自分すごいかも??とか考えていたのも束の間
その日の夕方から
やっぱり痙攣が起こってしまうような状態になってしまいました。
そんなに甘くはなかったわけですね。
で、やっぱ普通ならそこで諦めると言いますか
あとは看取ることも・・・みたいな雰囲気にもなるのかもしれないですし
これ以上、動物病院で治療をすることは
ただの病院側のエゴなんじゃないかなって話にもなると思います。
実際、次の日
朝から夜まで病院でお預かりさせていただき
ずっと鎮静をかけたような状態で寝てもらうという治療を実施しましたが
夜になり
これ以上預かるのも自分のわがままなのかなって思いもあったので
ご家族と相談の上、自宅での治療に切り替えることとしました。
ここから先は
治療の度合いをそれほど緩めることなく
それでも自宅で一緒に過ごせる形になれるよう考えた折衷案なのですが
あんまり公的な場で詳細を書くと
物議を醸しそうな気がしますので、少し割愛します。
それが、その子の誕生日の9日前ぐらいの出来事でありました。
正直、ここからどこまでやっていこう?っていう悩みどころを作ってしまったのは
僕の落ち度だったように感じています。
家で過ごすとなると、看病しないといけないご家族はもちろん寝不足になりますし
お仕事もされているわけなので、職場での立ち位置は悪くなっちゃうかもしれません。
他にもわんちゃんがたくさんいらっしゃるので
その子達のことでも色々と大変なわけなので
結構無理させちゃう選択肢だったなあ、と後で反省もしました。
一般的な動物病院の選択肢になるであろう
安楽死するかどうかとかをご家族と相談すべきだったのかもしれないとも考えました。
本当難しいなって思いました。
ですが
ご家族の懸命な看護の甲斐もあってか
寝たきりのところから
少しずつ歩くこともできるようになったり
水も飲んでくれるようになったり
今ではまっすぐに歩くこともできるようになってきたんですね。
絶望的かなと当初は考えていた誕生日も無事に迎えることができ
28日の忘年会の時にも連れてきてくださいました↓

もちろん、少しずつ改善傾向にあるとは言えど
脳腫瘍が存在するということ自体に変わりはないですし
また同じように痙攣が起こってしまい、戻って来れないこともあるとは思います。
でも、諦めないってことの結果が
こういう言葉では言い表せないぐらいの時間というものを齎してくれる可能性があるんだったら
ちょっとは自分の我儘をご家族様に提案してみても
良いんではなかろうかと、考えさせてくれた奇跡的な体験ではありました。
よかったらご家族様のインスタ見てみてください
→https://www.instagram.com/p/DD-zHCDzRKZ/?img_index=1
諦めない動物医療って
なんとなく良さげな感じで捉えられておりますが
実際には倫理的にアウトっしょ、みたいな場面もあるわけで
結果的に上手くいけばスーパーヒーローになれますが
上手くいかなければ、ただのサイコパスみたいなことにだって捉えられてしまいます。
まあ、でも
今回みたいな感じで
確率的に低かろうと、上手くいくことがあるんだったら
やってみる価値はあるんかなって僕は考えちゃう人間なので
そこがそもそも少しおかしいんでしょうね。
来年の目標は色々とありますし
新しく導入したいこともたくさんあります。
でも、究極な話
より『一般的な動物医療』というものから離れていくような
諦めない姿勢みたいなのを貫いた結果
やってよかったです、という患者様の笑顔を増やすことが一番ですかね。
そんなわけで
動物医療においては
もうちょっと我儘に生きてみようかなって思えた一年でありました。
ので
来年はもっと我儘な動物医療、というものを追求していきたいと思います。
いや、それはあかんか。
文章力の無さから
言いたいことがきちんと伝わっているのかやや不安が残りますので
言い訳しておきますが
もちろん
患者様・ご家族様第一主義であることに変わりはありませんので
そこだけは勘違いなさらぬようお願いいたします。
ということで
今年も皆様には大変お世話になりました。
来年も全力疾走で頑張りたいと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは!!
大山先生、12月25日を迎えられてヒルクにとっては誕生日プレゼント、私達家族には最高なクリスマスプレゼントありがとうございます。 忘年会の次の日は、庭に出たり、行動範囲が広くなりました。
年末年始も一緒に過ごしてるのも夢みたいです。
今後辛い事は避けられないですが、今の時間を大切に過ごします。
>ヒルク様
コメントありがとうございます。
元気なご様子をインスタでも拝見させていただいております。
貴重な時間を生み出すことができて本当に良かったなと思います。
この先もできる限りお手伝いさせていただければと思います。
よろしくお願いいたします。