腸内フローラ検査 続き
昨日のセミナーはすごく勉強になるものでした。
繰り返しになりますが
来月に入れば、腸内フローラ検査が実施可能になるので
早速やっていこうと思うセミナーでありました。
消化管というものは
単純に食べ物を消化して栄養素を吸収するだけの臓器ではなくて
エネルギーの合成であったり、免疫機能の調節であったり
情緒の安定にも影響を与えます。
腸は、全ての臓器をつなぐハブであり
長期的な消化管のダメージは全身に影響を及ぼすとされ
以前にも触れたことのあるものもあるかもですが
脳腸相関、腸腎相関、腸骨相関などと呼ばれたりします。
なので、どんな病気のコントロールにおいても
消化管のケアが大事ということになるのですが
その具体的な方法が
腸内環境の乱れを整えるということみたいです。
腸内環境が乱れる原因として判明しているのが
偏った食事、生活習慣の乱れ、加齢、過剰な衛生環境だそうで
これらが長期的に続くと腸内環境が悪化してしまうみたいです。
ただ、これらの原因を是正するとしても
動物において介入できることはかなり限られており
実際は、プレ・プロバイオティクスなどを補助的に給与するということになるとのことでした。
で、ここで僕、すごく勘違いしていたと言いますか
前はそういう風に聞いていた気もしたんですが
効果のあるプレバイオティクス製剤って
大体、どの子にも効くみたいなんです。
患者さんには、効果があるかどうかは相性もあるので・・・
みたいな感じで説明してしまっていたんですが
昨日の講演を行ってくださった先生曰く
あんまり患者さんを選ばないみたいです。
効果がない場合は、どっちかというとプレバイオティクス製剤とかの
使い方の問題だったりするみたいで
投与量であったり、投与期間が足りない場合も少なくないそうです。
なので、最初の投与で効果が認められなかったとしても
そのまま継続していれば効果を発揮することもあるみたいですし
投与量を増やしてみれば、効果が出てくることもあるみたいです。
ですが、効果が出てくるかわからないものを
漫然とただ続けるのって精神的にきついとは思いますので
そういう場面で、腸内フローラ検査は有効活用できそうな気がしています。
腸内フローラ検査で、腸内環境の乱れが検出されれば
プレ・プロバイオティクス製剤の効果が出る可能性が高いと判断できるみたいで
その検査を繰り返し実施することによって
治療のモニタリングにもなるとのことでした。
アトピー性皮膚炎のセカンドオピニオンなんかを受けていると
『アレルギー検査はやらなくても良いんですか?』的なご質問を受けることは少なくありませんが
アレルギー検査自体、有効に使用できる場面が非常に限られているため
今現在、ルーチンで実施することはほとんどなくなってきている検査だと思います。
数ヶ月経てば、検査結果も変わってしまいますしね。
正直、どこまでその検査結果を元に治療できるのかは、疑問符がついてしまいます。
それよりも
アトピー性皮膚炎の治療として
ファイナルアンサーなどをはじめとした腸活サプリメントが有効かどうかの判断材料として
腸内フローラ検査を実施する方が
おそらく実用的だと思います。
治療前にフローラ検査を実施して
治療を始めた後にも、モニタリング項目として
定期的に実施していくことで
治療判定にもなりますし
治療を継続する上でのモチベーションにもなると思います。
もちろんアトピー性皮膚炎の治療だけでなく
慢性的な消化器症状を示す子にも有効だと思いますし
人間だと最近ではパーキンソン病と腸内環境の関連性もわかってきているみたいですし
動物の認知症改善にも一役買ってくれたりするのかもしれません。
腸内環境の改善、腸活は
人間の方でもそうですが
動物医療においても、健康寿命を延ばすための
重要な手段の一つになることは間違いないと思います。
より長く健康的に犬猫さんの生活を維持するためにも
腸活はなるべく早く取り入れていきたいですし
そのきっかけとなるのが腸内フローラ検査なのかなと思います。
もうちょっと詳しく書きたかったですが
あんまりまだ書いちゃいけない非公開のことも多くて
こんな感じになっちゃってすみません。
とりあえず、当院でも来月から取り入れていこうと思いますので
ご興味のある方は、ご気軽にお申し出ください。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。