レプトスピラ症と混合ワクチン
先月、静岡市内で犬さんのレプトスピラ症が発生しました。
発症した子は残念ながら亡くなってしまったそうです。
本来であれば、レプトスピラ症は届出が必要な感染症でありますが
そこら辺は有耶無耶になっているみたいです。
でも、実際に市内で発生しているということは感染のリスクがあるということを意味しますし
家の外に出るわんちゃんは可能な限り
レプトスピラのワクチン接種をした方が良いのではないかなあと思いますし
大雨の後などは、外を出歩かない方が良いように思います。
犬猫さんの混合ワクチン接種に関しては
3年に1回で良いんだよ、的な情報だけがなぜか拡散されてしまっており
情報が色々な形に歪曲されている印象を受けますが
人々にとって都合の良い情報は拡散されがちになってしまうということなんでしょう。
混合ワクチンに含まれる感染症の中には
3年に1回の接種で良いものと
1年に1回の接種が必要なものがあります。
そこを全て同じと捉えないように注意が必要だと思われます。
レプトスピラ感染症の予防を考えるのであれば
レプトスピラに対するワクチンを年に一回打つことを推奨されております。
レプトスピラ感染症の感染リスクがなく
パラインフルエンザの予防なども考えないのであれば
一般的な5種ワクチンとか6種ワクチンとかを3年に1回の接種でも良いのだとは思います。
混合ワクチンに関する国際的なガイドラインに則るならば
そういう感じの考え方で良いのだとは思いますが
じゃあ、実際にその考え方が
日本のトリミングサロンとかペットホテルとかドッグランとかの施設に浸透しているのか
ってなると
正直微妙な印象でありまして。
どういう施設を利用する場合だったら
何の感染症の予防が必要で・・・というような情報が
きちんと広まれば良いんですが
『ワクチンは打たなくて良いですよー』みたいなことだけが出回ってしまうのは
レプトスピラみたいな感染症を考えたときに
すごく危険なような気がしてしまいます。
静岡もレプトスピラの発生がそれなりにある地域だと思いますので
そういう地域にある、他のわんちゃんと接触があるような施設こそ
ワクチン接種はある程度義務付けた方が良い気もしますが
そうすると利用者さんが減ってしまって困ったりもするんでしょうか。
難しいですね。
上述したワクチンのガイドラインも今年新しく改訂がありまして
子犬・子猫の頃のワクチンの接種プログラムにも変更がありました。
ただ、これが浸透していくまでには時間がかかりそうな気がします。
うちの病院もどんな形にしていくのか
現在のところはまだ考え中という感じです。
人間の小児のワクチン接種プログラムみたいに
ある程度、公的な情報が動物の方も出回れば良いんですけどね。
そうなれば情報の浸透も早いわけですが
なかなかそういう風にはいかないので
医学的な正しさに、現状が追いついてくるのには数年かかるイメージです。
相変わらずまとまりのない文章。
結論
静岡市でわんちゃんを外に連れて行くのであれば
レプトスピラ症のワクチンは一年に一回打つ方が良いと僕は思います。
10種混合ワクチンを毎年打つのか
レプトスピラのワクチンを毎年打ちながら、3年に1回だけ10種を打つのかは
各家庭で決めていただければと思います。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。