猫さんのiPS細胞
今月の初めに
大阪公立大学が猫さんの高品質なiPS細胞の安定作製に成功したと発表しました。
https://www.omu.ac.jp/info/research_news/entry-13171.html
不要な遺伝子の挿入がなく
三胚葉への分化能力のある高品質なネコiPS細胞の作製に成功したのは
世界で初めてだそうです。
鳩谷先生のチーム、すごいですね。
これをきっかけに
色んな施設で猫さんのiPS細胞の研究が進んで
猫さんの慢性腎臓病を始め、様々な病気の病態解明であったり
新規の治療方法の開発などが発展してくると嬉しいですよね。
人間の方も
iPS細胞の実用化に向けて進んでいるみたいですし
動物医療においても
そういう未来になってくるんでしょうか。
今回、避妊手術の際に摘出される子宮からも
iPS細胞の作製に成功したとのことなので
去勢・避妊手術を一般的に実施する猫さんにとっては
実用化に向けて前向きなニュースなのかもしれないですよね。
昨日の学会の中でも
基礎研究的なポスター発表がいくつかありました。
すぐにすぐ明日からの臨床に役立つものではないかもしれませんが
目の前の1人の動物の命を救うっていうよりは
数年先の何百、何千という数の動物の命のために頑張るって素敵ですよね。
猫さんの乳腺がんの研究発表みたいなのがありまして。
ああいう研究が
将来的な乳腺がん治療の新たな選択肢を生み出してくれるんだろうなって思いました。
基礎研究から始まって
臨床の現場で臨床応用されて
それが最終的に、既存の病気の治療の第一選択になるのには
かなりの年月がかかりますし
実際には臨床応用されることなく
埋もれてしまう研究もたくさんあるのだとは思います。
本当に大変なお仕事ですよね。
そういう人々が頑張ってくれるからこそ
臨床現場で治療ができるんだという感謝を示しつつ
今回の猫さんのiPS細胞の研究についても、心から応援したいですよね。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。