糖尿病性白内障
当院は眼科に強くありません。
医療機器の面から見ても
獣医師の経験値から見ても
眼科は苦手な動物病院です。
なので、結構早々に眼科専門のパル動物病院さんを紹介させていただくケースが少なくありません。
ここ最近だと
糖尿病性白内障の犬さん達を紹介するケースが続いています。
紹介させていただいた後も
すごくフレンドリーな感じでご報告のお電話をいただくことが多く
当院としましてもそういった専門性の高い動物病院様に紹介できるのは心強いなと
いつも思っています。
糖尿病性の白内障は
通常の老齢性の白内障と違い進行スピードが早いらしいです。
進行すると白内障が原因となる水晶体起因性ぶどう膜炎を引き起こし
そこから緑内障まで発展してしまったり
網膜剥離を引き起こしてしまう子もいるそうです。
濁った水晶体を透明に戻す治療薬は現在のところ科学的根拠のあるものが存在しないため
白内障の治療は基本的には外科手術となります。
ただ、白内障が進行してしまい上記のような合併症を併発した段階だと
手術をしても視覚の維持率が下がってしまうようで
そこら辺は手術適応かどうかを眼科専門の先生は判断されるみたいです。
特に糖尿病性の白内障は進行スピードが早いため
白内障の治療を検討されるのであれば
早い段階で一度眼科専門医の診察を受けるのが好ましいなあと
最近の症例を通して思うようになりました。
以前は白内障の手術の話を提案しても
実際に検討してくださる患者様の数はそれほど多くなかった印象なのです。
ここに来て増えているのは
患者様側の意識に変化があったのか
僕の説明の仕方が良くなかったからなのか
そこはわかりませんが
ともかくそうやって上手く専門動物病院との連携が取れて
視覚回復ができる犬さんが増えたのは良いことなのかなと思います。
眼科は循環器とか麻酔とかと一緒で特殊な分野だと思います。
本当は眼科の検査機器とかをきちんと揃えて
眼科が得意な獣医師を自院に配置して、ってやる方が良いのだとは思いますが
当院の場合、他に力を入れている分野がどうしてもあってしまうので現実としては難しいです。
ただ、自分たちで苦手だと認識できているから
診察の際にも、うち眼科には強くなくて・・・と正直に言える部分があったり
すぐに紹介しようという方向に持っていけたりするのかな、とも思います。
本当はダメなんでしょうが、今のところは逆にそういう感じが上手くいっているようには思います。
かと言って、このままの状態ではダメだとは思いますので
ゆくゆくは発展させていきたい分野ではありますよね。
すみません。頑張ります。
それでは今日はこの辺で失礼いたします。