短頭種さんの手術・麻酔
フレブルさんやパグさん、チワワさんなどが
興奮した時にガーガーと音を鳴らしてしまったり
寝ている時にいびきをかいてしまうのは
短頭種気道症候群の中の一つである軟口蓋過長が原因だったりします。
症状がひどくなると
興奮した時や運動時にガーガーが酷くなり
息が吸えないのでパニックになり
余計にガーガーが酷くなって悪循環に陥ります。
その状態が続くと、体温は上がり熱中症みたいな感じになりますし
何より上手く息が吸えていないので
低酸素状態に陥り、場合によっては命を落とすこともあります。
できればそのような状態になる前に
予防的な意味も含めて、手術を選択される方が良いように思います。
最近では、若齢時に症状がある子に関しては
去勢手術や避妊手術と一緒に手術を薦めさせていただくこともかなり増えました。
そこまで悪い状態にならなかったとしても
若い頃からずっとガーガーと音が鳴っている状態が続くと
年齢とともに喉が下垂してきてしまうこともあり
その段階から手術を実施しても
手術による改善効果が低かったりします。
なので、症状があるのであれば手術は早めにやる方が良いと考えています。
短頭種気道症候群が存在すると
呼吸自体がどうしても他の子に比べて苦手になるので
全身麻酔をかける際にも他の犬種さんとは別に注意しないといけないことが増えるように思います。
短頭種さんに麻酔をかけること自体を嫌う先生方も多い印象を受けますし
全身麻酔をかけるのであれば
短頭種気道症候群に対する手術を受けている短頭種さんにかける方が幾分気持ちは楽です。
2週間前にも短頭種気道症候群に対する手術が一件ありました。
そのご家庭には、以前もわんちゃんがいらっしゃったそうですが
子宮蓄膿症になってしまったそうです。
だからこそ、今度の子は避妊手術を受けさせてあげたいと考えていたものの
短頭種気道症候群の症状もあったことで、全身麻酔のリスクが怖いとのことで
なかなか決心がつかなかったご様子だったみたいです。
でも、やはり呼吸器症状が酷くなってきたので
市外から当院にご相談に来られました。
レントゲンを撮らせていただき、ご相談の末
避妊手術と一緒に軟口蓋の手術を実施することとなりました。
今では、いびき症状も軽減し
呼吸も楽になってくれて元気に過ごしてくれています。
昨日もまた別の初診の方が、短頭種気道症候群について
ご相談に来られており、後日手術することとなりました。
短頭種の犬さんがお家にいらっしゃるご家庭でも
いびきとかは当たり前でしょ、というような感じで
それが症候群なんて呼ばれていること自体ご存知ない方もいらっしゃいます。
お家に短頭種さんを迎えようとしている方には
ぜひ知っておいて欲しいことだなと思います。
短頭種さんについて
全身麻酔や手術のこと
ご相談などありましたら
よろしければ、当院までお越しください。
それでは今日はこの辺で失礼致します。