犬さんの潜在精巣(停留睾丸、陰睾)
以前にも書いたように思いますが
最近また潜在精巣の手術のご相談の子が多いです。
通常、犬さんの精巣は生まれた後に
腹腔内から陰嚢内に精巣が降りてくるわけですが
これが、腹腔内や鼠蹊部に留まったまま
正常な位置に降りてこないのが潜在精巣になります。
潜在精巣自体は、遺伝が関連する疾患とされているので
ブリーダーさんによる繁殖の質みたいなのが良くなってこれば
自然に減ってくるように思うわけですが
なんとなく年々増えているような印象を受けるのは
また別の理由があるんでしょうかね。
それか、ただ単に普通の去勢手術とは少し違うから
当院に相談に来ていただけるケースが多いだけなんですかね。
実際の数が増えているのかどうかは不明なのですが
一昨日も陰睾の手術がありまして
その日の午後の診察でも、今日の診察でも潜在精巣の手術の相談の診察がありました。
麻酔に力を入れている動物病院としての認識が
少しずつ広まってきてくれているおかげなのかどうなのか
ワクチンやフィラリア予防は済ました状態で
去勢手術・避妊手術のご相談から当院を初めて訪れてくださる方もすごく多く
それもあってか潜在精巣の手術の件数が増えているだけだったりするんでしょうか。
当院では腹腔鏡による手術はできないので
腹腔鏡手術と比較すると
傷口をそこまで小さくすることは難しいのですが
手術中の疼痛管理・麻酔管理をしっかりしてあげることで
同じくらい元気な状態で日帰り手術できる自信はあります。
正常な精巣を持つ犬さんの去勢手術を実施するかどうかは
ご家族様のご意向で決めていただいて問題ないとは思いますが
潜在精巣の子に関しては
将来的な精巣腫瘍の発生率がかなり上昇してしまうので
正常な精巣を持つ子よりも去勢手術を強く勧めさせていただいております。
全身麻酔・疼痛管理について
ご不安な方、ご質問などある方は
ぜひ一度、静岡市清水区にあるみなとまちアニマルクリニックまで相談に来ていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。