会計時にて
昨日の午後の診察時間。
お会計の際に、ちょっとしたイザコザみたいなのが起きておりました。
ざっくり言いますと
処方している薬の値段が高過ぎるよ、ということみたいです。
その子は、何度か肺水腫にもなっている僧帽弁閉鎖不全症のわんちゃんで
もう心臓の薬を飲み始めて4年以上経過しているんではないかと思います。
肺水腫になってからの生存期間も、とっくに中央値を過ぎているわけですが
過ぎるためには、それなりの内服の処方の仕方に経験値や工夫が必要になります。
循環器疾患を抱えている犬さんのご家族様はご存知かもしれませんが
動物用の心臓薬って結構高いものが多いんですね。
動物用医薬品だから仕方がないのかもしれませんが
その子も高用量で飲まないと、身体が維持できないくらいの状態になっているわけで
必然的に内服にかかる費用は高くなるわけです。
なので、文句を言いたくなる気持ちもわからなくはないのです。
たぶん、今どういう状況で、どれくらい特殊な処方をしているかを
ご家族様が十分にご理解いただいていないせいもあって
そういう感情になるという側面もあるのかもしれません。
ということは、僕らの説明の仕方にも落ち度はあるのだと思います。
ただ、別に詐欺まがいのことをして患者さんからお金を騙し取ろうとしているわけでもなく
何なら他の動物病院では実現できないような状態にまで
病気を上手くコントロールできるんじゃないかな、という
ある程度の自負もあるぐらいで
まあまあちゃんとやっているつもりでも
こんなことになってしまうんです。
難しいです。はい。
清水区の動物病院事情に明るい方ならご存知だと思いますが
当院の近くには
動物への気功療法を治療として行っている先生がいらっしゃいます。
その先生がどういうつもりでその治療をされているかは、僕にはわかりませんが
絶対外科しないと無理やん!みたいな子にも気功をするみたいで・・・
診療明細を拝見する限り
それでも一回に3000円もらえているみたいなんで
ほんと、なんだかなあって思います。
世の中には
動物に対して遠隔で気を送ります、みたいな方々も存在して
それにもまあまあな金銭のやり取りが発生しているという事実があるわけです。
結局は、患者様が納得するかどうかが大事なわけで
やっている医療や施術が実際どうかなんていうのは、あんまり関係ないのかなと。
そうなると、やっぱり上記の話に関して言えば
自分たちの説明する力の無さが生んだ結果なんでしょう。
精進します。
それでは。
はじめまして。
昨年犬の移行上皮癌を調べていて、先生の病院を知りました。
我が家の15歳の愛犬は移行上皮癌です。昨年4月に確定しました。
確定後、月一で東大動物医療センターにてラパチニブ→昨年11月よりモガムリズマブの治療を受けています。
〈ピロキシカムは合わず早々に断念)
心疾患もあり、ピモベタンモも服用しています。
本当にセレブでもなんでもない私達には、正直
費用は毎月大変厳しいです。
何か削れるものがあれば、そちらを節約です。
と言って、病院側に費用面の文句を言うなんてありえません。
承知の上の治療です。
ただ以前の病院では、検査にしても薬にしても事後承諾な場合がありました。
わかってますね、の感じでしょうか。
会計時に、これはなんの薬ですか?、薬が増えたのですか?、この検査の説明がなかった…ということは多々ありました。でも、提示されたら払わなければならない、みたいな感覚でした。
患者はやはりお医者様には弱いです。治して欲しいし、必死ですし、ある意味命を託しています。
先生のようなお気持ちは、本当に嬉しく思います。
私の周りにも怪しい治療は沢山あります。
犬が痛さで気絶する整体等、ゴッドハンドと巷では呼ばれていらっしゃるようですが…^^;
>清水様
初めまして。この度はコメントいただきましてありがとうございます。
ピモベンダンを服用しながら
東大でモガムリズマブの治療を受けていらっしゃるということで
検査や治療におけるご費用面だけでなく、日々の生活の中での投薬や通院も大変だと思います。
清水様のわんちゃんへの想いには、純粋に敬服いたします。
確かに、どうしても患者様の立場は弱くなってしまいがちですよね。
どっちが上か下かとかではなく
お互いに聞きたいことは聞けて、言いたいことは言うことができて
一緒に力を合わせて病気に立ち向かうような関係が理想なのかもしれません。
清水様のような想いで、病院に通っていただけることは
病院関係者にとってはとても嬉しいことなんではないかなと、僕は思います。
僕には祈るぐらいしかできませんが
わんちゃんの病態が1日でも長く良い状態を維持できるよう
心よりお祈り申し上げます。