投薬の練習
○○という理由で動物病院を訪れ
問診、身体検査に加え
必要に応じて血液検査や画像検査などを実施し
体調不良の原因をある程度絞っていき
その原因に対する薬を処方するというのが
動物病院での診察の流れかと思います。
で、病院で処方された薬を
家に帰ってから犬猫さんに飲んでもらうわけですが
この『投薬』という行為が
病気の治療のハードルを大きく上げるときは少なくありません。
人間だと
処方された薬を飲むのを忘れた!みたいなことが
投薬コンプライアンスの低下につながることが多いと思います。
よっぽど苦い薬とかでない限り、飲まないといけないことを覚えていれば
薬の必要性を理解していれば、大抵の人はお薬を飲んでくれるんじゃないかなと思います。
一方、動物の場合
何でそんなものをわざわざ飲まないといけないんや、と動物側は思うかもしれないですし
況してや、その薬が苦い系のものなんかであれば
投薬自体が戦いになったりもするわけです。
投薬ができない問題が浮上することは
犬さんよりも猫さんで多いように思います。
特に、甲状腺機能亢進症であったり心筋症であったり
基本的にはずっと投薬をし続けないといけない系の慢性疾患の患者さんの
予後を大きく左右するポイントの一つが投薬ができるか否かだとも思います。
心筋症などの循環器系の疾患は
投薬ができないタイミングが続くだけで
一気に状態が悪くなることだって少なくありません。
そういうこともあるので
できれば投薬の練習みたいな感じのトレーニングを
小さい頃からやっといて頂けると
病院としては楽だなあって思うわけですね。
内服薬の投薬も点眼も点耳も歯磨きも
小さい頃から慣れておいていただくことで
動物にとってもご家族様にとってもストレスが減るんじゃないかと思うんですね。
健康なうちからシリンジでチュールを食べる癖をつけておいて頂けると
シリンジで何かをもらうことを喜ぶようになってくれるかもしれないですし
歯磨きや目薬の後のご褒美が嬉しくて
むしろ動物側からやって欲しそうに仕向けることも可能です。
健康なうちから病気になった時のことなんて考えたくないよ、となるかもしれません。
いや、まあ、確かにそうなんですが・・・
若いうちから、そういったトレーニングを
遊びながらやっていただくことで
結果的に病気の治療成績や予後の改善にも繋がる可能性だってあります。
遊びながらトレーニングをしていただくことで
将来的に家族と過ごせる時間を増やすことができるのであれば
やってみる価値はあるんではないかと思います。
あんどえむで買っていただいたおやつなんかも
そんな場面で利用していただくのも良いかもしれません。
それでは今日はこの辺で失礼致します。