犬さんの陰睾について
犬さんの精巣は元々腹腔内(お腹の中)にあって
それが生まれた後に陰嚢の中に降りてくるのですが
中には正常な陰嚢の位置に降りてこず
腹腔内に留まってしまったり
鼠蹊部に留まってしまったりする子がいます。
そういう状態を潜在精巣とか停留精巣とか陰睾と呼ばれます。
正常な精巣の場合でも
最近だと去勢手術をされる犬さんがほとんどだとは思いますが
陰睾の場合だと、正常な陰嚢内に精巣がある子と比較して
将来的に精巣腫瘍になってしまう確率が大幅に上がります。
なので、潜在精巣の子の方がより積極的に去勢手術を勧めるようにはしています。
で、この潜在精巣の子を当院でも手術させていただくわけですが
なんかここ数年でそういう子が増えてないかなあと感じるんですね。
たまたまかもしれません。
ただ、わんちゃんを小型化しようとする流れの結果なのか
遺伝的な問題でブリーディングが良くないのか
そういうのがあるのかは不明ですが
なんとなくそういう風に感じます。気のせいですかね。。。
ペットショップさんやブリーダーさんから来たばかりの子で
ガリガリのわんちゃんって結構いらっしゃって
迎えたご家族に話を聞くと
めちゃめちゃご飯を欲しがるけど
ペットショップさんとかの指示で食事制限をされている子が多いです。
そういう子の経過を追っていくと
成長がゆっくりめな子がとても多くて
結果的に
男の子の場合は、潜在精巣に加えて乳歯遺残となるケースも多いように感じます。
遺伝的な背景もあるので
何度も言うようですが、偶然かもしれませんよ。
確かに日本だと小さいわんちゃんの方が売れる傾向にあるのかもしれませんし
そっちの方が売値が高くなるし、消費するフードも少ないしで
販売する側としては良いことばかりなのかもしれませんが
なんだか可哀想だなと素直に思ってしまいます。
食べたいなら食べさせてあげたらいいのにって思いますよね。
成長期に食事制限されるって考えたら結構辛いことだと思うんですけどね。。。
そんなことをここで書いても何も変わらないのでしょうが
日本に存在するペット販売の文化に対して批判的な意見がされて久しいですが
あんまり状況は変わってないんですかね。
今日はこれくらいで失礼します。
それでは。