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先日、当院のセカンドオピニオン相談室に

熊本の方からメールがありました。

一緒に住んでいるわんちゃんのクッシング症候群についてのご相談といった内容だったので

何度かやり取りをさせていただきました。

熊本市と静岡市は

人口の数だったり、動物病院の数だったりがとても似ておりまして

以前より関心を持って色々調べたりしておりました。

僕のざっくりとした印象では

静岡市よりも動物医療においてはちゃんとしているんだろうなあ、という印象でした。

で、今回その方とやり取りをする中で

患者様から見た熊本県の動物医療の現状みたいなのを教えていただきました。

あくまで1人の患者様のご意見なので

全体を反映しているかどうかはわからないという前提でお話ししていきますけれども

その方は、大分・熊本で今まで20軒近く動物病院を探されたそうで

熊本の動物医療はなかなか難しいのが現状みたいです。

今回、相談するにあたり日本でもおそらく一番有名であろう

内分泌学の第一人者的な獣医師の先生のお名前を挙げさせていただいたのですが

行く先々の先生方、最初の5、６人皆さんその先生の名前を知らなかったそうです。

望月も僕も学生時代からその名前を存じている著名な先生なのですが

その先生のお名前すら知らないということは

どの先生も、少なくともこの10年以上内分泌学についての知識を得ようという

行動はしてなかったのかなと推察されます。

地域の中では、獣医師会絡みの変な気の遣い合いなんかもあるみたいで

目上の先生の意見を否定することなど許されない、みたいなルールがあるそうです。

そうやってずっと昔ながらの治療を地域の皆で続けてきたのかもしれません。

話を聞いていて

静岡市と同じような感じだなあという印象を受けました。

今日、初めて当院にいらした患者様のお一人は

本日来た子とは別のわんちゃんが2週間前に亡くなったそうです。

それも、病院に連れて行ってレントゲンを撮ります、となって

そのまま20分後ぐらいに亡くなったそうです。

今にも亡くなりそうな呼吸状態のわんちゃんをいきなりレントゲン室に連れて行く

という行為は、一般的には推奨されていないと思います。

酸素化を実施しながらエコー検査、みたいなのが初動なんじゃないかと。

もう1人の初診の12歳のわんちゃんは

咳を主訴に来院されましたが

小さい頃からずっと心臓が悪いから咳が出ている、という理由でお薬を処方されておりました。

その薬剤の名前は教えてもらなかったみたいですが

今日検査させていただいたところ、特に先天性の心疾患などは見つからず

現状、薬剤の投与が必要な心臓には思えませんでした。

10年以上の治療期間はなんだったのかな、と思います。

昨日、望月が診察していたわんちゃんは

磐田市からセカンドオピニオンにいらした方でした。

今までの治療の内容から察するにアトピー性皮膚炎の治療みたいなのですが

治療の選択肢が抗菌薬かステロイドの二択という

いつの時代の話なのだろう、というような感じでありました。

そういう現状ってどうやったら変えていくことができるんでしょうかね。

時代錯誤も甚だしいような治療をし続ける動物病院が

自然淘汰されないシステムに根本的な問題があるような気もします。

動物病院側に自浄システムのようなものがない以上

患者様側の理論武装による動物病院の選択の方法の変化によって

獣医師側の動物医療に対する姿勢を変えていくしかないような気がします。

かくいう自分自身も

時代に取り残されないように、知識のアップデートを続けようと思います。

そんなわけで、これからオンラインで勉強会です。

今日はこの辺で失礼いたします。