IRIS腎臓病ガイドラインの改訂
今日もこの後やることがあるので
ちょっと流す感じのブログとします。
ブログというよりもメモをそのまま貼り付けておきます。
腎泌尿器学会の二日目、ランチョンセミナーのテーマが
IRISガイドライン2023の改訂の主なポイント、という感じのものでした。
日獣大の宮川先生による講義で
お弁当食べながらメモったやつなので
僕の個人的な解釈も入っているので
間違っている箇所とかあるかもしれません。
あくまで参考程度に
興味のある方は軽く流す感じで読んでみてください。
『IRISによるCKDステージ分類
ステージング自体に変更はない。
SDMAとCreが違うときについての論文の報告はまだ出ていない。
今年中には出るはず。
CreよりもSDMAは個体内変動・検査間変動が大きいので
測定する時によって誤差が出る。
カタリストと外注で検査数値が異なることもある。
腎臓病以外での上昇も今後解決していかないといけない問題。
今回の改編のメインはFGF23の追加かな?by宮川vet的には。
今までは療法食の開始の検討する根拠がガイドライン上になかった。
リンが高くなくてPTHも高くないステージ2の症例で
いつ食事療法を始めたらいいか?の基準がなかった。
タンパク漏出性腎症の場合、血栓症には注意というのは昔から。
今までは第一選択はアスピリンだった。
でも、全然効かない?感じだったっぽい。
それに応じて、クロピドグレルが第一選択になった。
抗血栓療法の開始基準であった低アルブミン血症がなくなった。
凝固系の検査をやって、血栓傾向を確認してから治療スタートが推奨される。
けど、毎回d-dimer測るの?めんどいなら、低アルブミンがで始めたぐらいで測定して一度は確認しておく。
ステージ1もしくは2で食事中のリン制限の必要性はFGF23を検査する。
過去には、食事療法による高カルシウム血症は軽視されていたが
腎臓病の進行の悪化因子となるという報告があり
早すぎるリン制限は良くないとされる傾向が強くなってきた。
ただし、FGF23が>400という400という数字にどこまで根拠があるのか?は微妙。
同様に>700でりん吸着剤を使用するとなっているが、この数字がどこから出てきたのも不明。
カルシウム濃度が12mg/dlを超えたら、リン制限を緩和するとあるが、具体的な緩和策は不明。
人医学では
FGF23が心血管イベントの発生にも関与するとされているが
動物医療ではまだここら辺はわからない。
リンやPTHが上昇するのは
ステージ2の後半から3ぐらいからのことが多いので
それよりは早期にFGF23は上昇する検査ツール。
食事療法を実施すれば、FGF23は低下する。
正常なリン濃度だった症例についても、食事療法によってFGF23が下がることがわかっている。
リン濃度が高くなくても、食事療法を検討すべき症例がいると考えられる。
猫はFGF23が3000を超えると予後が悪い。
犬は450を超えたら少し生存期間が短そう??
猫の特発性高カルシウム血症について
・慢性腎臓病のリスクなのか慢性腎臓病がそのリスクなのかはわからない。
・2021年の報告で
低カリウム、低リン血症は高イオンかカルシウムのリスクになる。
高イオン化カルシウム血症はCKDのリスクになる。
CKDの管理にはトータルカルシウムではなく、イオン化カルシウムの測定が推奨される。
猫の場合
高カルシウム血症があるとFGF23が高くなる。
→カルシウムもFGF23を上げてしまう可能性。
→FGF23が高くてカルシウムも高い時にリン制限をかけてしまうと、カルシウムを逆にあげてしまうかもしれない。
→腎臓病療法食やったらダメ。
早期の腎臓病についてのフードにするならロイヤルカナンしかない。
ヒルズは通常のご飯でもリンが0.6-1.0%ぐらい?
最初からリン制限がかかっている感じのイメージ。
ロイヤルカナンだとエイジングのステージ2とかはそれに相当。
純粋なIRISステージ1や2で
リンが0.3とか0.5%とかのフードの必要性はない。宮川先生的には。
ヒルズとロイヤルカナン以外は
DMでのリン含有量を明示していないので使用しにくい。。
犬はFGF23の研究は進んでいないので、ガイドライン上に言及はない。
犬で変更されたところ
UPC<0.5の目標は現実的ではなかったので撤廃。
最初の数値を基準に治療目標を設定する。
最終的なUPCの減少率は
テルミサルタンもエナラプリルもそんなに変わらない感じだが
テルミサルタンの方が下げるスピードが早い。
どうしてもテルミサルタンを使用したくないなら、第二選択はエナラプリルという感じ。』
こんな感じですね。
少し前から学会とか勉強会に関しては
パソコン一台で臨むようにしておりまして
抄録とEvernoteの画面を開きつつ
講義の内容をメモっていくというスタイルで拝聴しております。
なので変換ミスとかが自然と起きてくるわけですけれども
そこはご容赦ください。memoなのでわかればOKなのです。
今回のガイドラインの変更点、いくつかありますが
一番はやはり猫さんのFGF23の測定について、ですかね。
あとは、CreとSDMAの乖離した時の解釈については今年中に追って発表があるみたいです。
わんちゃんの方はそこまで大きく変更って感じではないですが
タンパク尿に対する治療の部分に少し変更が加わった感じでしょうか。
今回そのまま載せた感じのメモを使用して
今度のzoomでの勉強会の資料としようかと考えておりまして
そこで複数人の獣医師で内容を咀嚼して
知識として落とし込んでいこうかと思います。
それで整理できたら改めて面白そうな内容はここにアップしていきますね。
それでは、今日はこれで失礼します。
サボり回ですみません。