諦めの悪い人
本日患者様から2通いただきました。
一つは先日闘病の末亡くなった柴犬さんのご家族から。
もう一つはそのご家族に当院のことを紹介してくださった当院の患者様からでした。
その柴犬さんは
当院が4つ目の動物病院ということでした。
一つ前の病院さんではもう今日明日中に亡くなると思いますという余命宣告をされておりまして
当院に来ていただいた当初、ご家族は治療について諦めていらっしゃいました。
いくつも動物病院を受診されて
何度か入院治療をされて
それでも日に日に悪くなっていく病態を目の当たりにして
諦めないで、という方が無理があると思います。
確かに病状はかなり悪く
今までそれなりに治療はされた上で
何をしても反応が悪いというような状態でした。
でも、僕はあんまり諦めが良いほうではありません。
諦めない動物医療とか掲げてるぐらいなので
諦めの悪い方だと思います。
とりあえず、今までまだやったことがなくて
改善する可能性のあるものを提案させていただき
できる限りのことをさせていただきました。
最終的には亡くなってしまったので
結果は出せてないのだろうとは思います。
でも、ほんの少しの間ですが
以前よりも良くなったような感触がご家族にもあったご様子で
病院に来て頂く度にご家族の表情が明るくなっていきました。
そこは僕としてはとても嬉しかったですし
短い期間でしたが、この子の治療に携わることができてすごく良かったなと思いました。
諦めが悪いというのは良いことばかりではないとは思います。
ただ医療行為を続けることが逆に動物たちやそのご家族を苦しめる結果になることだって
往往にしてあるとは思います。
いつどんな時だって、最大限のことを全力で行うのが良いとは限らないと思います。
諦めない動物医療を全員に押しつけようとか、そんな想いは全くありません。
でも、今回は諦めなくて良かったなと心から思えました。
当院のようなやり方を必要としてくださる方がいらっしゃるのであれば
その時は全力でやろうと思います。
早めに終止符を打とうとする動物病院が周りにたくさんあるんだったら
1個ぐらい最後まで足掻きまくるような
そんな泥臭い動物病院があったって良いですよね。
やり方としてはスマートではないかもしれませんし
患者様によって合う合わないはもちろんあるとは思いますが
当院はそういうコンセプトの動物病院です。すみません。
今日お手紙を頂いたので
これからもそういうスタンスを続けていきたいと改めて思えました。
感謝のお言葉をいただきましたが
こちらこそありがとうございました
と、この場を借りて改めてお礼をさせていただきます。
それでは、今日はこれで失礼いたします。