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犬さん・猫さんの慢性腎臓病について②〜治療編その1『複数の病態と治療の選択肢』〜
慢性腎臓病についてシリーズ②です。
今回は治療編ですね。
慢性腎臓病に対する治療というのは
基本的に病態ができるだけ進行しないようにしていく管理ということになるのですが
それらは慢性腎臓病によって引き起こされる各種病態によって
必要な治療内容というのは変わってきます。
なので、どういった病態が存在するのか?を知るのが大事になってくるわけですね。
慢性腎臓病に関わる病態は多岐にわたります。
それぞれを列挙していくと
- 尿毒症
- 蛋白尿
- 高血圧
- 貧血
- 代謝性アシドーシス
- ミネラル代謝異常
こんな感じの病態が代表的になるのですが
同じ慢性腎臓病の犬さん・猫さんであっても
抱えている病態はそれぞれの症例で全然違います。
慢性腎臓病の際に使用される食事だったり、薬剤だったりは
これらの病態のいずれかをターゲットにされてものになります。
なので、今何が起こっていてどんな治療が必要で何が不必要なのか?を
見極めていく必要があるわけです。
具体的な治療の選択肢としては
次のようなものが挙げられます。
- 腎臓病療法食(早期系とタンパク制限までかける系)
- リン吸着剤(薬剤によるもの、サプリメントによるもの)
- クエン酸カリウムの投与
- ダルベポエチン±鉄剤の投与
- アムロジピンand/orテルミサルタンの投与
- 輸液療法(皮下点滴による細胞外液補充、静脈点滴による細胞内液補充)
- ベラプロストナトリウム(商品名:ラプロス)の投与??
(ラプロスについてはエビデンスが乏しいため現在当院では使用していませんので『?』としております。)
ざっとこんなのでしょうか。
今回はここまでとして、少し内容は短いですが
次回からは
この治療の選択肢を一つずつ掘り下げていこうかと思います。
なかなか長くなることが予想されますが
もしご興味のある方はお付き合いください。
途中で心が折れてしまったらすみません。
僕は最後まで頑張ろうと思います。
それでは②はこれにて失礼いたします。