天空の城ラピュタ
ジブリの中で一番何が好きという問いには
天空の城ラピュタと答えます。
ですが、僕たちが生きているこの世界の中で
地球にも空中に浮かぶ城、天空の城ラピュタがあるんだよ、と言うと
誰にも信じてもらえないと思います。
ワンピースに出てくる空島だってそうですね。
あくまでもアニメや漫画の中の世界の話です。
実際に、それらの中でさえ
ラピュタや空島を見たことがない人は、存在を信じようとはしません。
僕たちの動物病院がやろうとしていることはそれに近くてですね。
静岡市の動物医療は全国的に見てもすごくレベルが低いんですよ、と口に出して説いたところで
誰も信じてくれません。
『そんなことあるわけないじゃん!』
『大袈裟に言っているだけでしょ!』と一蹴されてしまいます。
それはきっとそういう現場を目の当たりにしたことが無いから
そうおっしゃるのだと思います。
上でも述べた通り
人間は自分の目で見たり、経験しない限りはなかなか信用しようとは思いません。
特に、今自分自身が当たり前だと考えていることについて
否定的な意見が実は正しいんだよ、と口で言われたところで
なかなか考え方を変えるのは難しいことが多いです。
僕だって、実は地球は丸くなくて三角なんだよ、とわけのわからない説明を受けたとしても
自分でそれを確かめない限りは、冗談だとしか考えないと思います。
今日の午前中、望月が診察していた患者様が
跛行を主訴に来院されたのですが
診察室で咳が止まらない状態でした。
聞けば、強心剤と気管支拡張剤と、抗菌薬を二日に一回飲ませているそうです。
これに対しては、望月とともに頭の中を『?』が駆け回ります。
人間の医療ではもしかしたらあるのかもしれませんが
少なくとも動物医療で二日に一回しか飲まなくていい抗菌薬など存在しないと思います。
抗菌薬は薬剤の血中濃度を上げないと細菌は倒せないですし
二日に一回しか飲まないなら、たぶん飲まない方が身体にとっては安全だと思います。
しかも、それを1年前からずっと飲んでいるらしいんですね。
なかなか頭で理解するのは難しい状況でして
いや、もう言葉を失ってしまう事態なわけです。
ただ、現状、そのご家族は今の薬を処方している動物病院さんを信頼されているのでしょうし
そこで何か否定的なことを述べたからといって、その子のためにはなりません。
現状、診察室の中で咳が止まらないくらいに咳のコントロールはできていないわけですし
それが心臓病に起因する咳なのであれば
きちんと検査しないとわからないと思います、という事実を望月は伝えていたわけです。
こういう事態が、この静岡市という地域では日常茶飯事に起きているんですね。
でも、別にそれをこうやって書いたからといって何も変わらないんです。
なぜかと言いますと
ここを読んでくださっている患者様の多くが
動物医療に対して意識高い系の方々ばかりなので
同じように家の子の咳が止まらない事態になれば
おそらくもっと咳をコントロールできるような治療方法を模索すると思うんです。
ですので、ここに書くまでもなく自ら行動に移されている方がほとんどだと思うんですね。
むしろ僕がこういう内容を届けたいのは
そういう事態に陥っているにも関わらず、しょうがないでしょと考えてしまっている人なわけなんですが
しょうがないと考えていると、調べることもないと思いますし
このブログにも辿り着かないと思うので
結局、本当に届けたいと思う人には届かないのだと思います。
プラスαで、仮に届いたとしても
信じてもらえる可能性もそんなに高くないと思います。
正直、臨床経験10年ぐらいしかないような人間のことよりも
20年以上動物病院をされている先生方のことの方が信用できるよね、と言われてしまえばそれまでだと思います。
確かに僕たちは歴史には到底勝てません。
まだ3年半しかやっていない病院の発信する情報など信用に値しない、と言う気持ちもすごく理解できます。
新しいところって怪しいですしね笑
でも、だからと言って新しいもの全てを否定するのは違うんじゃないかなと思いますし
少しぐらい耳を傾けてみようかな、という気持ちを向けていただいてもいいのではないかなと思います。
信じるか信じないかはあなた次第です、みたいな都市伝説ではないですが
結局僕たちが診察できて検査・治療をできるのは
僕たちの病院を信じてくださる方だけになってしまうので
なかなかこの現状をすぐに打開できる策などないのです。
ですが、目の前の患者様に誠心誠意向き合って一生懸命やることが
ゆくゆくはそういった状況を変える一つのきっかけになるんじゃないかなとも思います。
なんか愚痴みたいな感じですが
テキトーに聞き流してもらえればと思います。
それでは今日はこの辺で失礼いたします。