尿検査の意義
こんばんは。大山です。
ちょっとブログのネタがございませんので
もっちーのネタをパクりまして
今日のテーマは尿検査について。
人間だと血圧測定と同じぐらい最も一般的に行われる検査の一つかと思います。
健康診断とかでもどんな内容でも尿検査は入ってくると思います。
では、なぜそのように一般的に行われているのでしょうか?
健康診断で行う検査の目的は
健康な人の中から異常かもしれない人を見つけることです。
つまり、何か少しでも異常を引っ掛けやすい検査でないといけないということですね。
こういう検査を感度の高い検査と言います。
感度とは、陽性のものを陽性と判断できる度合いのことです。
だからこそ病気の人を見逃してはいけない健康診断なんかで使用するわけですね。
(反対に陰性のものを陰性と判断できる度合いを特異度と言います。)
尿検査は比較的感度の高い検査かと思われます。
慢性腎臓病、膀胱炎、糖尿病などなど
検査を行う目的は多岐にわたります。
『最近、水を飲む量が多い気がする』
『尿の色が昔に比べて薄くなったかもしれない』
『トイレに行く回数が増えているかも』
こういった症状が気になるならまずは尿検査を推奨することが多いです。
また、先ほども述べた通り
慢性腎臓病の早期発見につなげるための一つの検査としても
その威力を如何なく発揮してくれます。
BUN、Cre、SDMAなどの血液検査項目の上昇に先立ち
尿比重(尿の濃さ)の低下を認めることも多く
それが腎臓病の発見につながることも少なくありません。
ご自宅で採取した尿を持ってきていただくだけでも検査ができますので
動物への負担という観点からも実施しやすい検査です。
実際の尿検査において診る項目としましては
尿色、透明度、尿蛋白、潜血反応、ビリルビンの有無、尿pHなどに加えて
尿を遠心分離にかけて、沈さを顕微鏡で確認することで
細菌感染、膀胱炎所見、結晶の存在、尿円柱の存在などを確認することができます。
ぱっと見の尿は綺麗に見えても
実は出血しておりました、みたいなことも少なくありません。
動物病院での定期的な健康診断だと
どうしても血液検査のイメージが何故か先行してしまっておりますが
人間が小学生の頃から尿検査をするイメージはあると思うのですが
小学校の健康診断で血液検査をする場面はあまり想像できないと思います。
人の医療現場ではそれぐらい一般的に行われていることが
何故か動物医療ではそこまで行われていないのが不思議ですよね。
年に一回健康診断として血液検査をしています、という方は最近すごく増えてきましたが
健康診断として定期的に尿検査をしています、という患者様に出会うことは
あまり多くありません。
何なら、尿に結晶が出るから療法食を食べていらっしゃるわんちゃん・猫ちゃんでも
尿検査をしたことがないです、とおっしゃられる方も少なくありません。
どうやって最初に結晶があるってわかったんだろう?と思うわけですが
まあ、そこは置いておいて
定期的な尿検査はおすすめな健康チェックツールであります。
尿検査のための具体的な採尿方法などに関して
もしご質問などある方は、ぜひ当院までお越しください。
それでは今日はこの辺で失礼いたします。