6月25日土曜日の診察時間です。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
6月25日 土曜日の診察時間です。
午前中 9時30分 から 12時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
病気や治療に関する将来的な見通しのことを『予後』と呼びます。
予後が良いというのは
完治する可能性が高い疾患であったり
生涯にわたりコントロールが可能である可能性が高かったり
比較的、中央生存期間の長い疾患のことを指すことが多いです。
逆に予後が悪い疾患というのは
どんな治療方法を用いたとしても完治することができなかったり
長期の生存期間が見込めないものを指します。
僕たちの仕事の中で
患者様にきちんと予後を伝えるということは非常に大事なものの一つです。
『この病気の中央生存期間は〇〇ヶ月、〇〇年です。』というような説明ですね。
ただ、ここで問題になるのは
時間というものに対する考え方は人それぞれだということです。
それは立場によっても大きく異なる可能性がありまして
犬さん・猫さんのご家族と
僕たち動物医療関係者の間に大きな差が生じる可能性があります。
人間と動物達では、寿命というものがそもそも違います。
わんちゃん・ねこちゃんは人の4倍ぐらいのスピードで歳を重ねていくとされているので
人間にとっての3ヶ月は犬さん・猫さんにとっては1年に相当すると僕は説明するわけです。
じゃあ、病気の予後を説明する時に
そっくりそのままその考え方を採用していいのか?ということになります。
『猫さんの慢性腎臓病は最近では早期発見し適切に管理すれば
4〜5年の長期生存が可能になる例も多いです。』
という話をポジディブなニュアンスで説明されることがあります。
でも、この5年という表現を長いと捉えるか、短いと捉えるかは人それぞれなんですよね。
確かに猫ちゃんに健康診断なんて考えられなかった時代のことを思うと
以前は病気がかなり進行した時点で発見される場面も多く
そうした場合の慢性腎臓病の予後は2、3ヶ月以内とあまり良くないこともありました。
そこから考えると、年単位の予後というのはすごく良好に聞こえます。
ですが、その話を実際に聞くご家族は人間なわけです。
人間の生活の時間軸はあくまで人間なんですよね。
解釈する人が変われば、年単位の予後もすごく短く感じることもあるかと思います。
難しいですね。
どんな病気も完治するということが難しい以上
この予後に対する認識の違いというものは無くならないのかもしれません。
ただ、人間の時間軸で生きている中で
あと何十年の人生があると考えていたとしても
もしかしたら明日何かの事故に遭うかもしれないわけです。
人は当たり前のことに有り難みを感じにくくなる生き物です。
その当たり前を失いそうになった時に、突然有り難さに気付かされることが多いです。
かくいう自分もその一人ではありますが
たとえそれが動物だろうと人間だろうと
1日1日をすごく貴重なものだと捉えながら生きることが大事なんだろうと思います。
その1日の有難さを伝えることができれば
予後に対する認識の乖離など生まれないのかもしれません。
そういう命の大切さを伝えることのできる人になりたいですね。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。