5月8日日曜日の診察時間です。熱中症についてでも書こうかと。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
5月8日 日曜日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 14時 から 18時 まで(受付は診察終了30分まで)となります。
よろしくお願いいたします。
今月のCLINIC NOTEの
救急・急変への対応法の特集のテーマが熱中症。
最近結構暑くなる日も多いので
今日はわんちゃんの熱中症についてでも書いていこうかと思います。
熱中症は、高温で多湿な暑熱環境への曝露や
過度の激しい運動または長時間にわたる筋肉の震え・痙攣などによって
放熱メカニズムの能力を超えて中枢体温が上昇し
非常に致命的な臓器障害が引き起こされる症候群とされています。
僕たち人間もそうですが
わんちゃんも恒温動物なので
どういった環境下でも体温を一定に保とうと体が勝手に調節する働きがあります。
体温が上がるような状況になった時に
なんとか体温を下げようとするわけでありますが
その下げる能力を上回って、何かしらの原因で体温が上昇してしまうことによって
身体中の色々な臓器が障害を受けてしまうのが熱中症という病態ということです。
犬さんの場合は
中枢神経系の機能不全を伴う41℃を超える中枢体温を特徴としており
特定の犬種さん
(ゴールデン・レトリーバー・ラブラドールレトリーバー・短頭種さんなど)
は発症リスクが上昇することが報告されておりますし
特に肥満傾向の短頭種さんなどは熱中症になりやすいイメージが強いです。
普段から運動時にガーガーという呼吸をしてしまうわんちゃんや
寝ている時にいびきをしてしまうわんちゃん
鼻の穴が元々小さいわんちゃんは注意しましょう。
熱中症を発見したら迅速に高体温から正常体温へ冷却する必要がありますが
ただ体温を下げて終わりではなく
その後の臓器障害に向けての治療が非常に大事な病態となってきます。
臓器障害についての治療に関しては動物病院でないとできないので
ここでは高体温時の冷却方法について記載しておこうと思います。
最も効率的な冷却方法は
『常温の流水で身体を濡らしながら扇風機などで送風する方法』とされています。
間違っても、氷水などの冷水を使用してはいけません。
なぜか?
低温流水を用いることで、体表の血管が収縮してしまい
逆に熱放散が低下する可能性があるとされているからです。
流水を使用することができない場合は
霧吹きやスプレーなんかで常温水を体全体に噴霧し続けるのも効果的とされています。
また、被毛が厚い動物に関しては濡らす前に毛刈りをすることも体温低下を促進するとされています。
熱中症というものは非常に怖い病態でして
熱中症全体の死亡率はおよそ14%とされていますが
重度熱中症症例には死亡率が40〜50%ほどにまで上昇することが報告されています。
まずは、高温環境下に長時間動物を放置しない、肥満にさせないなどの
熱中症になること自体を防ぐことは大事なことだと思います。
その上で、万が一熱中症になってしまった場合には
体温を下げる処置をしつつ早めに動物病院への受診をお勧めします。
来院までに90分以上かかった場合はそうでない場合と比較して
死亡率が2.32倍になるともされています。
いかに早く病院に連れて来れるかも救命率に関わってくるわけですね。
こんな感じで
今日はワンちゃんの熱中症について書いてみました。
本日のブログはこのへんで失礼します。
それでは!
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