3月20日日曜日の診察時間です。セカンドオピニオンに関してもご気軽に相談ください。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんにちは。大山です。
今日は早めの更新です。
3月20日 日曜日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 14時 から 18時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
僕たちのような、いわゆる小動物臨床という分野で働く獣医師は
日々、鑑別疾患を挙げるということを繰り返しています。
例えば、下痢を症状として来院されたわんちゃんがいるとします。
『下痢』といういわゆる消化器症状を引き起こす原因・疾患をもし全て列挙していくとすれば
おそらく30個以上の鑑別を挙げていかないといけません。
それに加えて、ただ単に原因・疾患などを列挙していくだけではなく
その子の情報によって、列挙した鑑別疾患の優先順位は大きく変わってきます。
同じ下痢をしているわんちゃんだったとしても
昨日トリミングに行ったとか、初めて食べるおやつを口にしたとか、晩御飯の時に人間の食べ物を与えてしまったとか
そういった環境要因が原因になることもあれば
3日前から急に食欲元気が落ちてきていて、吐いてもいるし下痢もしている、という子もいらっしゃいます。
年齢や性別、品種などによっては考えないといけない優先順位も変わってきます。
若齢の子であれば、環境要因の鑑別順位が上がってくるかもしれませんし
高齢の子であれば腫瘍性疾患や慢性疾患などの鑑別が上位に挙がりやすくなるかと思います。
僕たちは、日々こういったことをずっと考え続けて
自分の考えに沿って、その子や飼い主様に最良と思われる選択肢を提示しながら治療を進めていきます。
その治療の結果がどうなるかによって、さらに鑑別疾患を絞りながら答えを見つけていくような感じです。
こういった作業を全症例の全症状に関してやるのが僕たちの仕事になります。
犬さん・猫さんは自分の症状を口にして説明できないので
症状の種類も多岐に渡ります。
『なんとなく元気がない』『なんか変』『鳴き方が変わった』『尻尾を振ってくれない』などなど
色々な病気の症状が様々な形となって現れます。
変な声で鳴くんです、と言って来院された猫ちゃんが尿道閉塞だったこともありますが
教科書の尿道閉塞の欄にはそんな症状はもちろん書いてありません。
そういった経験から
僕は猫ちゃんが突然叫びだしたら、血栓かな?尿閉かな?と、どこかに何かが詰まるようなものを連想するようになりました。
教科書やセミナー、勉強会の知識だけでなく、経験も必要になってくるとは思います。
ですので、大体どこの動物病院さんもそうだと思いますが
新卒で動物病院で働き始めた新米獣医師たちは
日々来院される症例について、ただひたすら鑑別疾患を挙げ続けさせられます。
皆様、想像していただくとお分かりになるかもしれませんが
この作業、最初はものすごく大変でして
色々と調べたり考えたりしていると、一つの症例についての鑑別疾患リストを完成させるのにかなりの時間を要します。
続けることでだんだんと早くなってくるわけですが
続けないことには、永遠と時間がかかったり、疾患が抜け落ちてしまっていたりとなかなか完成しません。
これを当院でも4月から入ってくる新人獣医さんに、毎日やってもらおうと考えています。
輪読会の時に、他の獣医さんたちにその話をしたら
1日1件やってもらうのは鬼だと言われましたが
当院の患者様のためにも彼女自身のためにも僕はどんだけ批判されようが鬼になろうと思います。
もちろん、その鑑別疾患リストを作ってもらう作業には、それをチェックする作業も必要なわけでありまして
それをやるのは当然僕自身になるのです。
自分で自分の仕事を増やしていることになるのですが
部下に対して100のことを求めるのであれば
上司は300ぐらいやって当たり前だと僕は思います。
面倒見の良さだけは幸いにも良い方だと自負しておりますので
僕自身も大変かもしれませんが、自分の勉強にもなると思いますし頑張ろうかと思いますし
頑張ってもらおうと思います。
なので、可能であれば、皆様にも新人獣医さんを一緒に育てている風に捉えていただいて
応援していただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
今日はこのへんで失礼いたします。
それでは!