猫さんの慢性腎臓病 iCatCare コンセンサスガイドライン①

先日発表されたらしいコンセンサスガイドライン。
2016年のISFMのガイドラインから10年ぶりの改訂みたいです。
長いので、早速AIに投げて解説してもらうという形をとっていますが
普段からの自身の考え方だったり
今までの論文のデータとかも入っているので
その上での、主な変更点などを挙げてくれています。
気になったところだけ紹介しておきますね。
・SDMAを過大評価しない方向性へ修正
初期研究ではクレアチニンよりも早期検出に優れているとされていたものの
現在ではSDMAとクレアチニンのGFRとの相関性は同程度と整理されています。
SDMAは筋肉量の影響が少ない一方で
甲状腺機能亢進症やリンパ腫で上昇し、糖尿病では低下する可能性があるとされています。
高齢猫さんでの診断閾値を従来の14よりも18μg/dl以上とする提案が紹介されているみたいですが
ここはこれからどうなっていくのかはまだわかりません。
・FGF23が研究的指標から治療判断指標へと変化
FGF23は慢性腎臓病のスクリーニング検査としては推奨されていませんが
慢性腎臓病と診断済みの猫さんにおいては
血清リンの値が目標内であってもリン制限強化の判断に使用する検査となっています。
早期のCKDにおいては、FGF23が400以上でリン制限を開始・強化とされ
高窒素血症CKDにおいては、腎臓病療法食導入後4-6週間で再評価し
リンの数値がステージ目標内でも、FGF23>700pg/mlが持続するならリン制限を強化し
<700pg/mlでCa正常なら現在の腎臓病療法食を継続となっています。
・腎臓病療法食関連のイオン化高Ca血症を本格的に扱った
高窒素血症性CKD猫の約20%が診断時にイオン化カルシウム高値を示すとされ
さらに26%が12ヶ月以内に明確または持続的なイオン化カルシウム高値を発症。
約半数でリン制限食導入後にCaが上昇するとされています。
腎臓の石灰化は慢性腎臓病の進行と関連するとされているので注意が必要。
トータルのカルシウムとイオン化カルシウムの相関関係は不良とされ
できればイオン化カルシウムを測定することが推奨されています。
・皮下点滴の位置付けを限定的にした
未だに横行している『腎数値が高い=皮下点滴漬けにする』という動物医療ですが
今回のガイドラインで
『すべての慢性腎臓病猫さんに推奨されるものではない』と明記されました。
飲水環境やウェット食、食事へ加水などを実施しても
持続的な脱水がある猫さんに検討するという治療となりました。
日本の動物病院も考え方を改めないといけないところが多そうですね。
実施する場合の目安量は、75-100ml/headを1-3日ごと、となっています。
・CKDがあることだけを理由に鎮痛や麻酔を避けない
こちらも考え方としては大事なものかもしれません。
安定したIRISステージ1-2では
低用量メロキシカムまたはロベナコキシブを慎重に使用可能とされており
一部のステージ3の症例では検討可能ですが、データが少ないとなっており
ステージ4や進行性のCKDなどにおいては使用を避けるとなっています。
初期の安定したCKDであれば、痛みの管理の方を優先して良いのかもしれませんね。
全身麻酔についても、麻酔管理の方法が具体的に書かれてあります。
当たり前なことですが、脱水や電解質異常を是正したり
血圧やPCVなども含めきちんと術前に評価することや
術中の平均血圧は70mmHg以上を目標にすることや
点滴の流量や、脱水だけでなく輸液過剰にも注意と書かれてあります。
こんな感じで、少しずつですが
慢性腎臓病の猫さんに対する考え方は変化してきているみたいです。
まだあと2回分ぐらい書けそうなので
続きは後日とさせてください。
とりあえず、今日はこのへんで失礼いたします。
それでは。