糞便移植の有用性
先日の内科学アカデミーの中で
凍結便を用いた糞便微生物移植によって
免疫抑制薬反応性蛋白漏出性腸症の犬さんが薬から離脱できましたぜ、みたいな発表がありました。
糞便の移植方法としては
健康なドナー犬から採取した凍結保存された便を用いて
生理食塩水で溶解して、ガーゼで濾して
それを全身麻酔をかけて内視鏡を直腸から挿入し
盲腸から結腸にその便液を移植してくる、という方法でした。
そうすると
もともと二種類の薬剤と食事療法などでコントロールされていた犬さんが
1ヶ月間隔での2回の便移植を経て
お薬を完全に離脱することに成功しました、っていう発表でした。
免疫抑制薬反応性腸症の犬さんに関しては
比較的コントロールが上手くいっている子でも
徐々に薬への反応性が落ちてしまったり
ある日を境に状態が悪化してきてしまったり
コントロールが難しくなるということが珍しくありません。
薬物療法に加えて
食事だったり、プロバイオティクス・プレバイオティクスを試すことで
良くなる子もいれば、そうでない難治性の犬さんも一定数存在するわけでして
そういう子に対する選択肢となるのであれば良さそうな感じですかね。
新鮮便でなくても有効だったというのも大きなポイントだと思います。
この研究では
移植する前と後で腸内細菌叢の解析もきちんとされており
実際に移植後は細菌の種類も増えていることがわかっており
多様性の指標であるα多様性も改善を認めております。
移植のたびに全身麻酔をかけて内視鏡を用いてっていうのは
ややハードルが上がる点ではあるかもしれませんが
少し鎮静をかけて
カテーテルをレントゲンで確認しながら進めていき
結腸内に便を移植してくる、とかでも良さそうなら
それほど難しくなくできそうな気もするので
チャレンジしてみるのもありかなあ、とか考えています。
どうせ難治性で何やっても状態の改善が難しいのであれば
大きな副作用なども考えにくいですし
試してみるはありですかね。
もう少ししっかり考えてみて検討したいと思います。
それでは、今日はこのへんで。