慢性腎臓病診断におけるSDMAって実際どうなの?
犬猫さんの慢性腎臓病を早期に検出できる可能性のある検査ツールとして
SDMAが登場したのが
ちょうど僕が大学を卒業して獣医師として働き始めたぐらいの頃。
なので、12年ぐらい前の話になりますでしょうか。
その当時、慢性腎臓病を診断するための血液検査項目として主流であった
クレアチニン濃度と比較して
より早期に腎臓病を検出できる検査ツールという謳い文句だった気がしています。
そこから数年して国際的なIRISのガイドラインの中にも
慢性腎臓病のステージ分類のメインステージを決める検査項目として
クレアチニンと肩を並べる存在となりました。
その後、中年齢以上の犬猫さんの健康診断の項目としても一般的になってきたり
SDMAの検査回数は多くの動物病院さんで増えてきたんじゃないかなって思っているんですけど
ここで一つ、臨床的な疑問と言いますか
なんとなくの感覚と言いますか
そういうものに突き当たります。
『SDMAが登場して、本当に慢性腎臓病を早期発見できてる?』
実際、BUNとかCreが高くないけど
SDMAだけ高い、みたいなことはたまにあるんですけど
僕自身の経験だけの話にはなっていまいますが
SDMAが一時点で高かった犬猫さんも
別の日に再度検査をさせてもらうと、普通に正常値でしたってことがほとんどで。
個人的にはSDMAがあってくれたおかげで
慢性腎臓病が早く見つかってよかったね。。的な症例はあんまりいないような気も。
実際どうなんでしょう??って思っておりました。
去年だったか、一昨年だったか
ポスター発表になりますが
腎泌尿器学会の中で
SDMAの腎臓病診断ツールとしての制度に疑義を唱えるような発表もありましたし。
で、3日前ぐらいの報告がこれです↓

あくまで、要約にしか目を通していないものの
SDMAだけで慢性腎臓病を診断することは難しそうな感じでしょうかね。
よくお問い合わせとかもいただく事例でもあるですが
クレアチニン正常だけどSDMAだけ高かったので慢性腎臓病と診断されたのですが・・・
みたいな状況の際に
すぐさま慢性腎臓病ですね、という判断には要注意かもしれません。
でも、そもそも早期発見マーカー的な位置付けなら
高い時はそれ単独で診断できて欲しいようなものではありますが
どうなんでしょうね。
判断が難しいところです。
1月、2月は一般的な動物病院さんにとっては閑散期と呼ばれる時期であったりもしますし
その期間を猫さんの健康診断キャンペーンと銘打って
積極的にSDMAを測定されている動物病院さんがあったり
3月からはフィラリア検査とともに健康診断がてら
わんちゃんの血液検査をする機会も増えてくるとは思います。
そういった時にSDMAを一緒に見ることもあるかと思うので
その検査結果の判断には皆様も注意しましょう。
それでは、今日はこのへんで。