パグさんの蛋白漏出性腸症
消化管の吸収が上手くいかなくなり
タンパク質から腸管から漏れてしまう蛋白漏出性腸症という病気がありますが
その予後不良因子としては
以下のような点が報告されています↓
・臨床症状のスコアが重度
・治療反応性が悪い
・BUNの上昇
・低コバラミン血症
・低ビタミンD血症
・日本では柴犬さん
・リンパ腫であること
・リンパ球クローナリティ解析の結果が陽性
などなど
この中にもあるように
日本国内では、柴さんの蛋白漏出性腸症は他の犬種さんと比較して悪いという共通認識があり
この原因としては
蛋白漏出性腸症の原因としてリンパ腫が隠れていることが多いからという考え方になってきています。
日本国内における柴さんと同様に
イギリス国内では、パグさんの蛋白漏出性腸症の予後が悪いことが報告されております↓

こちらの論文に登場する実際のグラフを下に載せておきますが
パグさんと他の犬種さんを比較すると
最初のうちの経過はそんなに変わらないのですが
途中から明らかにパグさんにおける死亡率が高くなっているのがわかります↓

この論文の中では
なぜパグさんの予後が悪いのか?の理由までは判明しておりません。
ですが、日本を含めた他の国のいくつかの研究では
パグさんは腸管T細胞リンパ腫のリスクが高いことがわかっています。
これらの流れから
僕が入っている消化器部屋の中島先生の説では
柴さん同様に
パグさんの蛋白漏出性腸症も時間が経過するうちに
リンパ腫へと移行する割合が多いんではないかというお話でした。
今後、世界的にパグさんの腸管T細胞リンパ腫が認知されてこれば
柴さんと同様に慢性炎症性腸症から腸管T細胞リンパ腫への移行が明らかとなってくるかもしれません。
さらなる研究が待たれるところではありますが
いずれにしろ、柴さんの消化器症状と同様に
パグさんの蛋白漏出性腸症には注意が必要だと思います。
それでは、今日はこのへんで。