腎臓病のセミナーをやることになりそうな話
一昨日の夜のセミナーに
ご参加いただいた方はありがとうございました。
正直、手応えみたいなのは全然感じることができなくて
『どうだったんでしょうね??』と福間先生と二人で反省会していたんですけど
翌日になって、10月と11月と2回ともご参加いただいた方からの直接のメールをいただいて
やってよかったなってなりました。
で、次何にしようかという話になるわけで
質問の中でも学術的なことがあったりしたので
次回はそっちよりにしてみようかなあ、ってことになりました。
ただ、普通に腎臓病の診断基準とか、標準治療とかの話をしたところで
そういう話はネット上を探せばどこにでも落ちているわけで
僕個人としては
どうせやるなら患者さん側が他では見ることができないような
そういうのをやりたいなって思うわけです。
だから、実症例の症例検討っぽいのを混ぜた感じで
腎臓病診療を普段やっている中で、知っておいて欲しいこと・訴えたいことなんかを
中心にまとめたいと思っています。
そんな中、論文を探していたらこんなのが見つかって↓

トルコの獣医師は猫さんの慢性腎臓病に対して
どんな感じでアプローチしています、的なやつですね。
アブストしか覗くことはできなかったんですが、翻訳してもらうとこんな感じ↓
翻訳(日本語)
猫の慢性腎臓病(CKD)は、よくみられる疾患である。
国際ガイドラインの遵守状況は、獣医師の間でばらつきがある可能性がある。
本研究の目的は、トルコの一次診療獣医師における、猫のCKDに関する診断、治療、モニタリングの実施状況を評価し、これらの実践がガイドラインとどの程度一致しているかを比較することである。
32項目からなる横断的オンライン質問票が獣医師に配布された。
アンケートは、回答者の背景情報、診断アプローチ、治療法、CKD症例におけるモニタリング戦略について尋ねる内容で構成された。回答を分析するために記述統計が用いられた。
合計281名の獣医師が参加した。
93.6%がIRISガイドラインを認識していたものの、推奨されているすべての診断手順を実施していると回答したのは55.2%にとどまった。
73.6%の回答者は、クレアチニンに加えてSDMAを使用していた。
しかし、血圧を日常的に測定しているのは30.5%のみであった。
テルミサルタンやACE阻害薬は一般的に使用されていたが、アムロジピンを処方する獣医師はわずか8.9%であった。
多くの獣医師がCKDのステージにかかわらず腎臓病食を推奨し、1〜2週間の短い切り替え期間を提示していた。
再診間隔はさまざまで、40.9%が2〜3カ月ごとの再評価をすすめていた。
国際ガイドラインの認知度は高いものの、疾患のサブステージング、血圧測定、降圧薬の選択に関しては依然として乖離が認められた。
血圧測定の重要性をより強調し、猫に適応のある薬剤へのアクセスを改善することで、猫のCKD管理がさらに向上する可能性がある。
ガイドラインを認識はしているものの
内容に沿って診療を進めている獣医が少ないという点だったり
血圧を測定している獣医の割合が少なかったりという点は
日本の実情とそんなに変わりないのかもしれませんね。
そういう実情があるからこそ
僕自身が患者さんに知っておいて欲しいこととか
訴えたいことなんかが生まれるわけなので
良いのか悪いのかわからんのですが
獣医師ガチャとか動物病院ガチャという風に揶揄されてしまうような
今の動物病院業界の状況を変えるために
何か自分もできたらなあとは考えているので
そういう話ができたらいいなって思います。
ここのブログを読んでくださっている方々には
目新しいことはないかもしれませんが
実際の症例のお話を聞く機会などもあんまりないかと思うので
そういう情報共有の場にはできたりするのかなあ、と。
たぶん次の開催はクリスマスあたりになるとは思うのですが
よろしければご参加いただければと思います。
それでは。今日はこのへんで。