メロスの走った速度
最近、長男が空想科学読本を図書館で借りて読んでたりするんですけど
アニメとか漫画とか
あらゆる題材を科学的に検証してみようという
なんともユニークな発想の柳田理科雄先生の著書ですね。
ご存知の方も多いかもしれません。
この柳田先生の考察したものの中に
『メロスの走った速度』というものがあります。
太宰治の作品、走れメロスの一節の中の
『少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った』という表現について
実際文字通りそのまま考察してみたらどうなるかってやつですね。
現状、今の世界では地動説が主流だと思うので
太陽は動いてないという認識は皆様共通で良いと思います。
そうすると、動いているのは地球なわけですので
太陽のスピードというのは地球の自転スピードということになります。
走れメロスの題材は北緯37度地点だそうなので
そこでの地球の自転スピードは時速1300kmになるそうです。
メロスはこの10倍も速いスピードでラストスパートを走ったことになるので
時速13000km。
即ちマッハ11です。
マッハ11で物体が移動すると、その周囲には衝撃波が発生し
周りのものは吹っ飛んでいくそうです。
実際に、走れメロスの中には
『路行く人を押しのけ、跳ねとばし』と書かれてありますが
この跳ね飛ばされる人々は計算上
時速16000kmのスピードで宙を舞って
1600kmの彼方に落下してしまうことになるみたい。
もし東京から跳ねとばされたら、落下点は沖縄の久米島ということで
なんともめちゃくちゃな事件をメロスは巻き起こすことになってしまうんですね。
もちろん、この太陽の10倍のスピードで走ったという文言自体
比喩表現なわけなので
それぐらい猛烈な勢いで必死に走りましたよ、ということは
読んでいる多くの方は理解されるのだと思います。
ただ、もしかしたら中には柳田先生みたいにユニークな考察とかではなく
本当に文字通り捉えてしまう方もいらっしゃるのかもしれません。
診察をしていて感じることでもあるのですが
コミュニケーションにおいて
相手の理解度、認識を推し量ることというのは、ものすごく大事です。
特に、医療の話が飛び交うような診察室の中で行われる会話においては
なかなか慣れていない人にとって理解しにくい事柄というのも少なくないように感じます。
獣医師にとって
患者さんが自分の説明をどの程度理解してくれているかを
きちんと把握すること
その上で自分の説明の仕方だったりに試行錯誤を加えること
そういうことってすごく大事だなって日々感じます。
患者様と獣医の間で齟齬が起こることは
結果的に動物たちにってもあまり良いことではないですしね。
患者さんが本当に理解してくださっているのか
獣医師からの確認も必要なのかなって思いますし
説明内容が複雑化した際に
わからなかったら何でも聞いてください的なスタンスをとれるかどうか
忙しそうだから先生には直接聞きにくいなあっていう雰囲気をいかに出さないか
そういうのが大事なんだろうな、と。
何でも話せる動物病院って感じの雰囲気の動物病院であり続けたいもんですね。
それでは。