猫さんの副腎が大きい時に考えること
副腎偶発腫の話は、今日で終わりにしようかと。
最後に猫さんのお話で締めたいと思います。
正直、わんちゃんと比較して
猫さんの副腎が大きくなる場面ってあんまりないこともあり
データも少なめだったりします。
最近の報告ですと
色々な疾患に対して腹部の超音波検査を実施していた際に
副腎腫大を認めたのが7%(983例中68例)とされております。
この68例のうちの6例は
副腎疾患を疑って検査をされたのちに発見されたものらしいですが
残りの62例は、本当にたまたま副腎腫大が確認されているみたいです。
この報告の副腎腫大の定義が副腎幅が4.8mm以上となっているため
そもそも犬さんとはやや考え方が異なる部分もあるのかもしれませんが
併発疾患としては、慢性腎臓病の罹患が最も多く
副腎腫大の原因としては
慢性腎臓病による二次性高アルドステロン症や
慢性疾患によるストレスなどの可能性が考えられています。
病理検査も全ての症例で実施されたわけではないみたいですが
副腎の腫瘍を疑うような症例はほとんどいなかったようで
多くの症例で、昨日書いた内分泌的な評価もされておりません。
やっぱり犬さんとは考え方を変えないといけないってことですね。
猫さんの副腎腫瘍の正確な罹患率もこれまたわかっておらず
犬さんと比較して報告が少なく、比較的稀だとはされています。
猫さんの副腎腫瘍で最も多いタイプは
アルドステロンを産生する腫瘍で
いわゆる原発性高アルドステロン症というやつで
高血圧だったり低カリウム血症などの症状から疑って
超音波検査をしたら、副腎でかいやん、みたいな感じの流れになるタイプです。
最終的には、レニン活性だったりアルドステロン濃度などを測定して診断をつけていきます。
報告されている全ての原発性高アルドステロン症の猫さんにおいて
血漿アルドステロン濃度の上昇が認められておりまして
基本的に、これは診断項目としては必須だと思います。
ただ、慢性腎臓病とか進行した心疾患などによる続発性のアルドステロン症も
同じようにアルドステロン濃度が上昇してしまうため
先ほども申し上げました、血漿レニン活性を同時に測定することが理想的とされています。
うちの病院でも
今お一人の猫さんが原発性高アルドステロン症で内科治療を継続中ですが
その子も最初、低カリウムと高血圧を認め
エコーで副腎の腫大を確認。
レニン活性とアルドステロン濃度の結果から、最終診断しました。
現在は、抗アルドステロン薬であるスピロノラクトンを
高血圧に対してアムロジピンでの治療を行っています。
猫さんの副腎腫大に遭遇した時の流れはこんな感じでしょうか。
あんまり出会う機会もないですが
いざ目の前にそういう猫さんが来た時に
知らないと対応が後手後手に回ってしまうので
復習の意味も兼ねて書かせていただきました。
何かの参考になることないかもしれませんが
少しでもお役に立てれば幸いです。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。