予後を伝えること
先日いらした初診のトイプードルさんのお話。
二日前に突然、目がしょぼしょぼし出したので
元々のかかりつけ医さんに行きました。
そこでステロイド系の点眼薬を処方してもらいました。
そこから二日間、点眼したけど
目の状態は良くも悪くも変わらない
なんとなく元気もない、とのことで当院を受診。
前々から言っておりますように
当院は眼科が苦手です。
でも、自分らにできることはやろうとします。
僕の見立てでは
角膜に傷はないし、明らかな前房フレアもない。
確かに充血はあるけど、そんなにひどくもない。
もしかしたら二日前に処方された点眼薬で改善途中なのかもしれないです、と
正直に伝えました。
治るまでにもう少し時間がかかるんだと思うので、4日後ぐらいにもう一度診せてもらえますか?
とお伝えし、診察は終わりました。
で、4日後。
目の症状は完全になくなり、元気も元通りになりました。
結果的に僕はこの子の目の症状に対する治療は何も実施していなくて
ただただ点眼を続けていただいた感じです。
ですが、この再診の際に健康診断のお話になり
後日、この子ともう1人の同居犬の子の全身の健康診断を預かり検査でさせていただきました。
フィラリア・ノミ・マダニの予防薬も当院で2人分購入していただき
これからかかりつけ医として診させていただく感じになりました。
何かの病気・症状があった際に
その後の経過や流れを最初の診察時に説明することってめちゃくちゃ大事なんだと思いました。
点眼薬をどのくらいの期間続ければ改善があるのか?
それを最初の診察時に聞いているかどうかで、患者様の病院や獣医師へ抱く印象というものは
大きく変わるのだと思います。
下痢をしました。
薬を出します。
五日間飲んで改善がなかったら血液検査や超音波検査をした方が良いかもしれません。
とお話をして、下痢症状が改善なかった場合に
文句を言う患者様って多分ほとんどいらっしゃいません。
最初の診察時に
下痢に対するお薬だけを処方するだけだったら
5日も薬を飲んでるのに全然良くならないじゃないか!ってなることもあるのだと思います。
予後を伝えることってすごく大事ですよね。
もちろん、中には予想できないこともあると思いますし
見立てが外れることだってあるとは思います。
でも、上手くいった場合のことも上手くいかない場合のことも
あらかじめ伝えられておくと
人って少し安心できるもんですよね。
そういう診察を心がけないといけないな、と今回のことで学びました。
僕らも気をつけたいと思います。
話は突然変わりますが
台風が上手い具合に逸れてくれそうで
無事に明日北海道へ飛び立てそうです。
土曜日は一日かけて呼吸器疾患の集中治療を学ぶ感じになると思います。
ARDSとか肺炎とか人工呼吸管理とか
全身麻酔なんかもそうかもしれませんが
願わくば、あまりなってほしくない状態ではありますし
関係ない子の方が多いのかもしれません。
でも、一定の確率で遭遇してしまうのであれば
その時の対応の選択肢を広げておくに越したことはありません。
とりあえず、自分の知識がどのくらいついていけるのか心配な点もありますが
精一杯頑張りたいと思います。
明日からの四日間お休みになり大変申し訳ございませんが
よろしくお願いいたします。
それでは、今日はこの辺で失礼致します。
北海道でも更新できたら良いなと思っておりますので
期待しないで待っていてください。