ワクチン接種に対する考え方
来月から狂犬病ワクチンの接種が本格的にスタートします。
犬猫さんのワクチン接種の診察は
新卒の先生が最初に任される仕事でもあったりして
なんとなく軽んじられる診察ではありますが
僕は個人的には結構怖いものだという認識で診察しています。
先日のアナフィラキシーのセミナーにおいても
『健康な犬猫さんが数分で命を落とす世界観』と表現されていました。
ワクチン接種後のアナフィラキシー症状の重篤なものはまさにそれに当たります。
どれだけ準備をしていても
救急のスペシャリストのチームが救命にあたったとしても
100%助けられるというわけではない恐ろしい病態がアナフィラキシーです。
その確率が10000頭に7頭(0.07%)という低い確率であったとしても
(非狂犬病ワクチン接種後の犬さんのデータです。)
ワクチン接種がそのきっかけになってしまう可能性があるという認識は持っておくべきだと思います。
備えあれば憂いなし。
何も準備しないでワクチン接種を行うよりも
少しでも救命率を上げた状態で打つ方が
動物病院としての責任をちゃんと果たしているんじゃないかな、と思うので
一応、常に10倍希釈したアドレナリン(エピネフリン)は用意してあるようにしております。
使わないことの方が圧倒的に多いので、もったいないじゃんと言われればそうかもしれません。
でも
いざアナフィラキシーショックの状態の動物を目の前にして
アドレナリンの薬剤を希釈して作って・・・ってやっている時間の方がもったいないと僕は考えています。
そこで数秒・数分の時間を節約できるのであれば、常に準備しておいた方が良いんでは?と。
もちろん準備をしていたから100%助けられるわけではないですが
準備していなかったら助かるものも助からなくなると思います。
当院のワクチン接種の費用について
たまに、ご質問を受けることもありますが
そういった緊急薬の準備であったり
実際にアレルギー症状が起こったときの対応だったり
そこら辺のご費用を含んだ形での接種費用になっています。
値段の設定の仕方って、動物病院ごとに考え方が色々とあると思うので
うちよりも高いところもあれば、安いところもたくさんあると思います。
ただ、望月もアメブロの方で同じようなことを書いていたように
見かけの値段がそのままの価値だと受け取らない方が良いとは思います。
高いものが全て良いとは言いません。
ですが、特に医療行為や薬なんかに関しては
とことん安さを求める行為は、最終的にどこかで割を食うような気がしてなりません。
その時に背負う損害が笑って済むようなものであれば、まだ良いかもしれませんが
動物医療においては
命に関わることも少なくないような気がしています。
話が飛びましたので、戻しますが
ワクチン接種後は
もし宜しければ
当院二階の『犬猫グッズのあんどえむ』で少しの時間過ごしていただけますと
ワクチンアレルギー症状が最も重篤に出やすい30分以内という時間を
病院建物内で過ごすことができ、迅速な対応が可能となるかもしれません。
ついでに、ワクチンを接種したご褒美に犬猫さんへのおやつをプレゼントしていただけたりすると
病院のことを好きになってくれるかもしれません。
そういうのは如何でしょうか。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。