SDMAの最新活用法
というタイトルのセミナーが
2月から配信されておりまして
その配信期間が明日までだったので、昨日聴いていました。
BUNやCreよりも早期に腎臓病を検出することができる検査ツールとして
ご存知の方も多いと思いますし
春の健康診断?的なものでも測定される機会が多いと思います。
興味のある方もいらっしゃるかもしれないので
参考になればと思い、昨日聴いたセミナーの概要の一部を共有しておこうかと。
今回のセミナーはあくまで1人の先生のご意見なので
これが全てじゃないよ、ということだけ予めご理解ください。
まずはざっくりとしたSDMAの特徴。
・SDMAは慢性腎臓病の早期診断指標という認識よりは
糸球体濾過量(GFR)を結構反映してくれていると考える。
・SDMAは食事とか筋肉量に影響を受けない。
・SDMAは変動が比較的大きく、一時点の値のみで判断しない。
次に、個人的に確かになあっていう情報。
・BUNやCreは輸液療法やその他の要因によって見かけ上改善したように見せてくるけど
SDMAは違うように動くこともある。
・SDMAがCreやBUNとかと同じように低下しない場合、単独で上昇してきている場合なんかは要注意。
・逆にBUNやCreが比較的高値出会ってもSDMAがある程度低下すれば良好な維持が期待できることが多い。
→皮下点滴とか静脈点滴とかして、BUNとかCreが下がってもSDMAが下がってこなかったら
糸球体濾過量が改善してきているとかではないから、要注意ってことなんですかね。
あとは、面白いなあって情報 その1
リンパ腫とSDMAの関係性ですね。
これは以前にもブログのテーマとして書きましたが
リンパ腫の子は犬さんも猫さんもSDMAがGFRとは無関係に上昇することがあるってやつです。
もしかしたらリンパ腫を発見できるきっかけにSDMAがなってくれるかもしれないですし
リンパ腫の治療を実施することでSDMAの数値が低下することもあるみたいなので
リンパ腫の治療反応性の一つとしても今後は使用できるのかもしれません。
最後に、予後指標としてのSDMAについて。
人の医療分野において
敗血症の臓器障害の指標であるSOFAスコアの代用みたいな感じで
SDMAが使えるんじゃないか?みたいなのがあるみたいです。
SOFAスコアの腎機能の部分は現状Creを使用しておりますので
SDMAを利用してみるのも、面白いかもしれないですよね。
あとは、SDMAの数値が敗血症の重症度と関連しているそうで
短期的な死亡リスク評価にも使用できるみたいです。
少なくとも、SDMAがかなり高い症例というのは
腎機能も悪いんでしょうが
全身状態が非常に悪く、かなり重症な症例であるという認識を持たねばなりませんね。
僕自身も一時期、急性期にSDMAを測っていた時期もあって
上記の内容はなんとなく納得のいくことも多いように感じます。
せっかく院内で測れるし
予後指標になってくれるんであれば
もっと測定機会を増やしてみますかね。
重症症例の術前・術後とかモニタリングしていくのも面白そうですよね。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。
健康診断とかでSDMAが高いって言われたけど、どうしたらいいのー?って方は
もし宜しければ、一度ご相談に来ていただければ幸いです。
よろしくお願い致します。