動的なものと静的なもの
医学の世界で
『動的』と『静的』と言われると
僕は輸液の世界で述べられる
動的指標と静的指標という言葉を思い浮かべます。
救急や集中治療の先生方が好きな分野で
治療として輸液が必要かどうかを判断するときの指標として用いられるやつですね。
静的指標を参考にしても
適切な輸液療法を実施することは難しいので
輸液反応性を予測する動的指標が広く用いられています。
静的な、動的なと表現をしてもわかりにくいかと思いますので
簡単に書くならば
『静的な』は変わらないもの
『動的な』は変化するもの、みたいな感じでしょうか。
動的指標というのは
輸液によって心臓の拍出量がどのように変化するか?とか
脈圧がどのように変化するか?とかを数値化したもので
それを指標に輸液した方が良いのかどうかを判断するって感じです。
動的に変化するものが良いのか、静的に変わらないものが良いのか
どっちが良いのかは
それは時と場合によるかと思いますし、何について述べるかによっても異なると思います。
動物病院が大きくなる上で
昔は熱心に診察してくれたのに、最近は忙しいのかそっけない診察になってしまった・・・みたいな
そういう言葉を耳にすることは多いのですが
そこは変わったらいけなかった点なのかもしれません。
先日、リンパ腫のセカンドオピニオンで来院された猫さんの治療内容を伺うと
現代の化学療法の内容とはかなりの乖離がありました。
猫ちゃんのための動物病院です、みたいな感じで書かれてありましたが
治療内容はずっと昔から変化していないご様子でした。
そこは変わらないといけない点なんじゃないかなって思います。
僕の個人的な意見ですが
動物病院として静的な部分と動的な部分、両方を持っていなければいけないと思っています。
何を静的に、何を動的にするかについては
変わらずにずっといることが難しそうなことは、変わらずに持ち続けた方が良くって
変化をし続けることが難しいことは、とことん変えていった方が良いんじゃないかなって考えています。
要するに、『楽な方じゃなくって、しんどい方を選ぼうよ』ってことですね。
あんまりこんなこと書いていると怒られそうですが
ただ僕が動物病院をやっていて感じることなので、ただの個人の意見だと思って聞き流してください。
異論反論はいつでも受け付けておりますし
全ての動物病院に当てはまるわけではないとは思っておりますので
それを念頭に、以下お読みいただけると幸いです。
たぶんですけど
動物病院ってある程度の年数が経つと、それなりに安定してくると思うんですね。
そうすると、だんだん一生懸命に診察しなくても良くなってくるのかなって思いますし
開業当初の情熱みたいなのはどっかに行ってしまうんじゃないかと思います。
そんなに頑張らなくても患者さんが来てくれる状態になったら
頑張らなくなるのかもしれません。
頑張らなくなる(当初の姿勢が変化してくる)方がきっと楽なんだと思うんですね。
で、医療技術とか治療内容に関しては
ずっと同じことやっていく方が、同じ薬を購入し続ければ良いですし、特に考えなくて良いですし。
変化しない方が絶対楽だと思うんです。
新しい治療方法や検査方法を導入することって
獣医師も周りのスタッフにとってもそれなりにストレスの多いことだとは思うんです。
業務内容が変わると新しいこと覚えないといけないですし
場合によっては損することだってあると思います。
安定しているのに、わざわざそんなストレスのかかるリスクのあることを選択するかってなったら
いや、そんなことしないでしょう、ってなる人も多いんだと思います。
病院に来ていただける患者さんのことを第一に考えたら
一生懸命さはずっと変わらずで、医療面はアップデートし続けるのが良いんだとは思いますが
人間の心理的に、楽な方を選んでしまいがちになってしまうんじゃないかと。
仲の良い院長先生は
『ストレスって楽しいですよね』って真顔でおっしゃっておりましたが
そういう姿勢が大事なんかもしれないですね。
発言だけ聞いてたら、かなり変な人ですが
ストレスは成長のチャンスだよ、的な感じで捉えれば確かに納得もいくわけで。
結局は
根っこの部分は変わらずに成長し続ける感じが理想なんですかね。
今日のブログは何が言いたかったのか全然わかりませんが
何かしらは少しでも伝わったでしょうか。
麻酔のレポートを書きながら
現実逃避でブログを書いていたらこんな感じです。
わかりにくいですね。すみません。
とりあえず、今日はこの辺で失礼します。
それでは。