好きなことを仕事に
今日は何について書こうかなと思いましたが
なんだか今日は診察が立て込んでいて
学術的なことを書く気分にもあんましなれないので(おい)
モッチーがアメブロの方に書いていたことに
ちょっと乗っかってみようかと思います。
僕自身、おそらくハタから見ると
好きなことを仕事にしている人間、だと思われる方なのだと思います。
確かに、犬猫さんと遊ぶのは好きですし
医療分野も好きですし、考えて治療して成果が出ると、モチベーションはどんどん上がります。
ただ、まあ、小動物臨床の獣医師という仕事を
そんな風に捉えられるようになったのは、本当にここ4、5年の話でありまして
特に最初の3、4年は『自分は獣医に向いてないなあ』っていう想いがめちゃくちゃ強かったように思います。
なんかもうしんど過ぎて、動物嫌いになりそう、とか思ってた時もありますし
何やっても症状は良くなんないですし
良くなったと思えば、別に自分が何かしなくても勝手に良くなったんじゃないかなあ、というような
そんな気持ちに苛まれている日々がずーっとありました。
確かに獣医師になること自体は中学生の頃からの目標でありましたし
実際に目指していたものになれたわけですけれども
最初はもちろん上手くいかないことの方が圧倒的に多いわけで
同じように大学卒業した同期の獣医の中で自分が一番できひんやつなんちゃうかなあ、と思ってましたし
獣医師とは名ばかりの何もできない人間だと思ってました。
僕の仕事へのモチベーションみたいなのを変えてくれたのは
臨床3年目ぐらいに出会った1人のゴールデンレトリバーさんでした。
その日は院長不在で自分しか獣医がいない状況で
その子は夕方から急に歩かなくなってしまった、というような主訴で来院されて
診察室までは歩いて入ってくれましたが、診察台に乗った瞬間に虚脱してしまい
全く力が入らなくなりました。
マズルも手足も冷たいし、完全にショック状態やん、とか心の中で思いながらも
少し前に聞いた救急のセミナーのことを思い出しながら
FAST検査という救急エコーを行い、『心タンポナーデによる閉塞性ショック』であることがわかります。
超救急疾患ですね。
もちろん、心膜穿刺なんて当時はやったことなかったわけですけれども
そこに獣医は自分しかいない状況で
目の前の犬さんはあとどのくらい持つのかもわからない状況で
ドラマ コードブルーの3rdシーズンでやまぴーが
『おそらく緊張性気胸だ。今すぐ脱気しろ。胸腔ドレーンを入れないとその患者は数分で死ぬ。』的なことを
言ってたのを思い出しながら、針を刺しました。
初めての経験ではあったものの無事に心膜液を抜去できて
ゴールデンさんはすくっと立ち上がって
その後、元気な状態でお家に帰っていきました。
その経験も
そのちょっと前から救急医療に興味を持って勉強を始めていたことだったり
少し前に聴いたセミナーの内容を活かせたことだったり
本当にたまたまな成功体験だったのかもしれません。
ただ、そうやって自分自身がやったことの成果がはっきりと目に見えた経験が
この仕事面白いかも!って思わせてくれたような気がします。
いや、3年目になるまでそういう成功体験なかったのかよ、って言われちゃうと
ダメダメ過ぎて反論もできないのですが
正直、その経験があって僕の獣医師という仕事に対する考え方は変わったように思います。
結論何が言いたいのかよくわからなくなっていますが
好きを仕事にするっていうよりは
仕事をしているうちに好きになるって感じの要素も結構大きいんじゃないかなと思うんですね。
『野良猫なのに何でタダで見てくれないんですかー?』みたいなクレームみたいな電話が来る日は
本当に嫌になる時だってあります。
昨日は、わざわざ磐田市からセカンドオピニオンに来てくださった患者様に
すごく感謝していただけました。
そういう時はすごく嬉しいもんです。
感謝の言葉って素敵ですよね。
人間、一度きりの人生なんだったら
好きなことやってそれに社会的な需要が付随して
仕事として成立するんだったら最高なのかもしれません。
でも、どんな仕事だって、頑張ってやり続けることで
それなりに好きになってきたり、楽しくなってくる部分もあるんじゃないかなあと思うわけです。
そんなことないですかね。
いかがでしょうか。
とりあえず、今日はこれくらいで終わりにします。
お疲れ様でした。