漢方薬
東洋医学と聞くと
少しスピリチュアル的な要素があったり
何となく胡散臭いなあという気持ちが頭をよぎってしまうのは
日本人の良くないところなのかもしれません。
西洋医学に比べて
概念がややふわっとしているせいか
きちんと東洋医学を学ばれていないグレーな人達による
詐欺みたいな自称医療行為が横行しているせいなのかもしれません。
実際、動物に獣医師が息を吹きかけて
『気功もやっておきましたんで』と言って明細書にきちんと気功の代金が記載されてしまう
動物病院が存在することは、清水区の方ならご存知の方もおられるかと思います。
普通に薬剤を注射して、同時に息を吹きかけて
それで動物の状態が改善したのなら
それは注射が効いたんでは?と普通の人なら考えるように思いますが
気功が効いたと獣医師が本気で言えば
そう信じ込ませてしまえるわけですから、怖い話ですよね。
そういう不思議な医療とかではなく
ちゃんとした東洋医学の考え方だったり
実際の治療方法だったりを学んでみたいなっていう想いは結構強いんですよね。
当院も『抑肝散』という漢方薬を行動学的な問題や皮膚疾患などに使用することがありますし
『六君子湯』という漢方薬を消化器疾患などに使用することを検討することもあります。
大建中湯や五苓散なんかも上手く使用できたら
色々と診療の幅は広がるんだろうなあって思わせてくれます。
西洋医学か東洋医学かのどちらかだけではなく
上手く複合できたら理想なんでしょうね。
東洋医学がメインの先生のお話を聞いていると
考え方の重心が東洋にあるせいか
病気に対する考え方について疑問に思うことが多いんですね。
それはそれで成立している学問なんだと思いますし
きちんとした考え方なんだと思います。
ただ、僕が西洋医学よりの考え方だから
腑に落ちない話が多いのは仕方ないのだと思います。
なので、あくまで西洋医学の補助的な医療用漢方の種類とか使い方とか
そういう感じのセミナーとかあったら嬉しいんですけどね。
なかなか難しいもんです。
今日はこの辺で失礼いたします。
それでは。
東洋/西洋医学は各々得手不得手があると思います。東洋医学は体本来の自然治癒力を機能させバランスを取って未病を治すが、西洋医学はバイタル等検査値から病気の原因を特定・排除する印象。東洋医学は体全体をぼんやり見てバランスを取る、西洋医学は局所的理論的に見て原因を排除する為、東洋医学の方が経験的・本質重視でリスクを侵さない守りの医学の印象を受けます。
>藤井様
コメントありがとうございます。
東洋医学も上手く使用すれば良い治療選択だと思いますが
決してリスクがないものでもないように感じます。
西洋医学と東洋医学を上手く使い分けることができれば、患者様の満足度ももっと上げられるのかなと考えています。
ご指摘の通り東洋医学(に限らず何事)も何かをやる時はリスクがあります。程度の差はあれ漢方薬や食べ物にも西洋医学の薬剤同様に成分起因の副作用のリスクがあります。
ただ医療の目的を不調の原因の特定→排除(徹底検査→強い薬剤or手術)による完治/寛解に置くのと、より体に優しい手段により本来の自然治癒力を働かせて不調の緩和/体のバランスの回復を目指すのとでは致死リスクや副作用等患者の負担の程度が違うと思います。
何が最善かは難しいですが、患者さんが望まれる医療、引いては人生である事が大切と考えます。
西洋医学と東洋医学の是非を論ずる際、医療経済的な側面もあると思います。
西洋医学の精密な検査、高額or過剰な薬剤/手術には巨額の費用と手間が掛かり患者のみならず、少子高齢化により健康保険や国家の財政(社会保障費)を圧迫しています。現行制度では健康保険/介護保険/国家財政が破綻すると国民への社会保障の運営・提供が困難になる為、財政的なバランスを取る必要があると思います。
どれだけ生きたかではなく、どれだけ愛され幸せを感じたかを考える事が大切になってきているのではないでしょうか?
多くの漢方薬(医療用エキス製剤/生薬)は健康保険適用ですが、過去に国や健保の薬剤費削減の為、漢方は適用外or自己負担率増加が国で検討された事があります。
漢方の適正使用は寧ろ薬剤費削減に繋がる(財政的メリットを考え東洋医学を取り入れている国もある)のに何故日本で漢方外しの声が出てくるのでしょうか?
私の推測ですがこの背景に漢方薬引いては東洋医学はエビデンスが無いという思い込みがある様に思います。
元来漢方薬は経験から派生したものも多いですが、現在では各国でデータが蓄積されています。
薬が効くデータが蓄積されても、その機序が未解明の漢方もありますが、患者には経験的に効く事が分かっているが機序が未解明の薬も利用する選択肢があっても良いと考えます。
私見ですが、東洋医学は医療理論面だけで無く人間の知恵や経験、患者や国の財政的負担、人間らしい生き方や自然との調和に立脚する医学と考えています。