避妊手術をしない結果
日曜日、月曜日、本日の診察と
三日連続で犬・猫さんの乳腺がん関連の診察が続いておりまして
ここ最近あんまり見かけなかったんですが
なぜか今週に限って続いております。
どんな疾患でもあるあるですが、続く時は何故か立て続けに同じ疾患が続きます。
最近診察する機会が減った理由は明確で
犬さんも猫さんも避妊手術を若いうちに選択される患者さんが多いからだと思います。
男の子の去勢手術よりも女の子の避妊手術の方が
より積極的に推奨させていただいているわけですが
その理由の一つが悪性の乳腺腫瘍の発生を予防できる確率が大幅に上がること。
特に当院は
キャットリボン運動という
乳がんで亡くなる猫ちゃんを亡くそう、という取り組みに賛同している動物病院なので
積極的に猫さんの避妊手術は推奨しないといけない立場にある病院になります。
わんちゃんの場合は、猫さんほど悪性の確率は高くないかもしれませんが
それでも、今日の午後に診察に来た子は
おそらく悪性の乳腺癌が肺にまで転移してしまっている状態だったので
そういう時は避妊手術しておけばなあって思ってしまいます。
避妊手術をするかしないかは、色々な考え方があるとは思います。
健康な子にメスを入れることなんて考えられない、とおっしゃる方のお気持ちもわかりますし
そうやって若いうちに医療を介入させること自体が不自然なことだと
おっしゃる気持ちもわかります。
ただ、避妊手術を選択しないということはどういう結果を招くのか、ということは
知っておいても良いのではないかなと思います。
完全な私見ではありますが
男の子の場合、16歳とか18歳とかでも去勢手術されていない犬さんって
そこそこ見かける気がしますが
女の子で、避妊手術していない子で
そこまで高齢な子ってあんまり見かけないように思うんですよね。
大体が10歳ぐらいで子宮蓄膿症になったり乳腺腫瘍になったりで
結局卵巣も子宮も高齢になってから取らないといけなくなったり
それで命を落としてしまう子もいます。
長生きをするっていう側面だけで考えた場合でも
女の子の場合は、犬さんも猫さんも避妊手術をするメリットの方が大きいと思います。
乳腺がんで亡くなる子は
動物本人はもちろんそうですが
それを看取らないといけないご家族や
診察をする動物病院スタッフにとっても結構辛いものがあると思います。
若い頃に避妊手術をしておけばなあ、という後悔や
防ぐことができたかもしれない病気なのになあ、という想いのもと
対症療法しかできないやるせなさは結構精神的にも辛いと思うんですね。
もちろん、こういうのは個人的な僕の意見ですし
誰に強制するものでもありません。
ただ、こういう結末をまあまあな頻度で生むかもしれないです
ということは知っておいてほしいなってだけです。
なので、みなとまちアニマルクリニックとしては
犬さんも猫さんも女の子の避妊手術は積極的に推奨しております。
全身麻酔に関するお悩みや避妊手術に関するお悩みなどある方は
ご気軽に病院まで来ていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
それでは、今日はこの辺で。