当院のコンセプト
ホームページを新しくするにあたり
固定ページを20枚ぐらい作成するわけですが
それの原稿をただいま作成中です。
循環器についてや麻酔についてのページがあったりするのですが
その中に当院のコンセプトみたいなページがあります。
そのページの原稿も提出しないといけないので書いておりました。
当院のコンセプトは『諦めない動物医療』みたいな感じなわけですが
改めて文章にしていくと
勘違いされることもあるだろうなあと思うわけです。
どんな子に対しても諦めない動物医療を提供します、って感じだと
病院に来る全員に対して全力の医療行為を行うみたいに捉えられがちだろうなと思うわけですが
別にそういうわけではないんですね。
医療行為を希望せず自然のままにしたいですっていう方の気持ちもわかりますし
医療行為を実施することが動物に対してマイナスになる場面だってあると思います。
そういう場面にわざわざ痛めつけるようなことをやろうとは全く思いません。
僕はですね。
医療行為にかかる費用や時間っていうのを
獣医師側の言い訳に使いたくないなって思うんですね。
わかりにくいと思うので、例を挙げると・・・
高齢のわんちゃんが急に痙攣発作を起こしました。
症状や神経学的検査、血液検査などの結果を考えると頭蓋内に何かがあることが想定されます。
でも、MRIを撮るなら紹介しないといけないし、費用もかかるし、全身麻酔をかけないといけない
そういう医療行為を実施するのは大変だし
きっとご家族は希望されないだろうなあ、という大きなお世話的な思いやりから
あんまりMRIはお勧めしません、みたいな感じで患者様に話してしまうのは嫌なんです。
いや、気持ちはすごくわかるんですよ。
実際、MRIを勧めても前は断られることの方が多かったですし
どうせ断られるんなら、最初から話の中に出さないか
出したとしてもあまり勧めなくなるんだと思います。
実際に紹介してMRIを撮ってもらう方が動物病院としては手間がかかりますし
大変なことも多いので、撮らない方を選択してもらう方が
病院にとっては楽かもしれませんしね。
そんな感じの流れになるのは仕方ないのかもしれません。
ただ、その点僕は患者様に恵まれているのか
今当院に来てくださる方の多くが
その場面でMRIを受けることに躊躇しない方が多いように思います。
それだったら、その希望に全力で応えられるようにする方がいいと思ったわけなんですね。
目の前に病気に苦しんでいる猫さんがいたとします。
費用も何百万でも何千万でも払うし、必要なら日本全国どこにでも連れていくから
どうにかこの子を良くしてくれないですか?
って言われた時に、躊躇なく『任せてください!』って言いたいわけなんです。
奈良にいた時にはそういう場面に出くわさなかったのですが
静岡に来て
治療費が100万でも200万でもお願いします!って
躊躇なく即答で答えてくださる人がいることを知りましたし
仕事なんていつでも休むからお願いしますって
動物のことを生活の中心に置いてくださる方がたくさんいることを知りました。
医療にかかる費用だったり時間だったりを
どこかで医療行為を諦める言い訳にしてたんかなって思うんですね。
そういうの良くないよなって皆さんに気づかせてもらえて
そういう自分はダメだなって考えたわけです。
せっかく全力で医療をやってほしい患者様が実在するんなら
病院側としても最後の最後まで諦めない動物医療を提供してみよう、ってなった次第です。
前までだったら
慢性腎臓病のステージが進行している重度歯周病の猫さんに
全身麻酔下での歯の手術はしなかったかもしれません。
実際に手術をした後にご飯を食べる猫さんにも出会えてなかったと思いますし
喜ぶご家族と対面することもなかったと思います。
賛否両論あるでしょうが
必要する人がいてくださるのであれば
そこをとことん追求していくのもそれはそれで面白いんじゃないですかね。
当院のコンセプトはそんな感じでしょうか。
わかりにくいですね。すみません。
今日はこれくらいで失礼します。
それでは。
諦めない動物医療のニーズは飼い主の可処分所得と相関すると思います。
地域の例を挙げると、
奈良<静岡<東京(等の政令指定都市)
東京都心で諦めないor高額自由医療のFC展開はビジネス的に有りと考えます。
私も横浜の自由診療歯科で高額の治療をした事があります。
ただ私はペットに関しては長く生きるよりも愛され幸せに(苦しまずに)生を全うして欲しいと思います。
>藤井様
動物医療のニーズと可処分所得が相関するかどうかに関しては、半々なように思います。
確かに一定の所得層の方々まではそこに相関関係があるのかもしれません。
ただ、僕の経験上、年収が高い方=動物医療にお金をかける方ではないとは感じております。
お金持ちだからといって動物の医療にお金をかけるかどうかはまた話が別だと経験的に感じることが多いです。
動物病院という業態は属人性が非常に高い分野だと考えております。
何をやるか?よりは誰がやるか?によって患者様の支持を得られている場面を数多く見てきております。
患者様からの評価を落としても良い覚悟で売り上げ上昇を目指すのであれば、都心部へのフランチャイズ展開もありなのかもしれませんが
僕たちが目指すところはあくまで地域の方々のための動物病院なので
現時点でそのような予定はありません。
貴院のお考えはよく分かりますし、個人的には貴院の方針に賛同致します。
何事に於いても諦めない気持ちは所得と関係ありませんが、人は各人の所得に応じて医療費に限らず支出に上限があるのも事実と思います。
私は還暦を過ぎる迄東西の大都市で過ごしましたが、富裕層向け事業のニーズは高額所得者が多く住む地域が高いと感じます。