桐生恭一
海堂尊さんの小説
『チーム・バチスタの栄光』の主人公、田口公平は
相手のことをよく知るために、初対面の相手に名前の由来を聞くという行動を取ります。
田口の前に現れた天才外科医、桐生恭一にも同様に自身の名前の由来を聞くわけですね。
そして、恭一という名前の由来は
『一番になっても恭しさを忘れるな』ということを知るんです。
僕がこの小説を読んだのは大学一年の頃だったような気がしますが
この桐生恭一の名前の由来のエピソードがとても印象に残っていて
『恭しさ』って大事だなと思い
自分の子どもにもこの漢字を使おうと決め、実際に長男の名前はここに由来しています。
僕の持論ではありますが
どんな人間でも他者より優れたものを持っていると考えているので
誰かの全てを包括していてその人の完全上位互換です、みたいな人間なんて
この世に存在しないと思ってるんです。
そうすると、人間同士の付き合いの中で
相手のことを敬うことってすごく大事だと考えておりまして
どんな人にだって尊敬できる部分って少なからずあると結構本気で思っています。
自信を持つことは獣医師としてもすごく大事な要素なのだとは思いますが
そこまで自分を信じることっていうのができないせいもあり
謙虚な気持ちで常にありたいなと考えています。
況してや、自信があるからといって相手のことを馬鹿にしたり
下に見たりするのは違うんじゃないかなと思うわけです。
人間というものは
良いことが続いたりすると
どうしても調子に乗って自信満々になって
傲岸不遜な驕り高ぶり人間になってしまうみたいですが
そういう時こそ足元を掬われるんですよね。
勝って兜の緒を締めよ、ではないですが
調子に乗らないことが、この仕事においてはすごく大事な気がしています。
今の当院が実力以上に評価されたり
お褒めの言葉をいただくことが多いのは
そういうところなのかなあ、とも最近思います。
人間性で評価されるよりも医療面で評価されるべきなのかもしれませんが
あくまでも主体は一次診療の動物病院なので
人間性もとても大事な要素だと思います。
わんちゃんもねこちゃんも一つの命です。
そのご家族様もお一人の人間です。
それぞれを尊厳を思いやる気持ちとでも言いますか
相手を敬う気持ち、恭しさというものを忘れたくはないですね。
今日は少し思うことがあったので書いてみました。すみません。
それでは、このくらいで失礼します。