無麻酔歯石取り
静岡市内にも
無麻酔でわんちゃんの歯石取りをやってくれる人がいるそうです。
インスタグラム経由でそのことを知りました。
百害あって一利なし。
その言葉に尽きるのかなと思いますが
本当にデメリットしかないのが無麻酔での歯石取りだと思います。
まあ、一瞬見た目が綺麗になるということをメリットと捉えるのなら
メリットもあるのかもしれませんが
医学的にはデメリットしかありません。
表面に存在する歯石を取るだけでは
歯科治療としては何の意味もありませんし
寧ろ、歯の表面を傷つけることとなり
その後の歯石が付きやすくなってしまうリスクもあります。
歯石が再び付けばリピーターになってもらえるから
施術している人にとっては良いのかもしれませんが
被害者はたまったもんじゃありません。
そういった意味のない行為のために伴うリスクが
施術する時のリスクです。
歯医者さんでスケーリングを経験された方はご存知かもしれませんが
スケーリングって地味に痛いんですよね。
その痛みに人間が耐えられるのは
歯をきれいにするためだと理解しているからなわけですが
わんちゃんはそれをわかってくれません。
理解していないから当然嫌がってしまうわけです。
嫌がるわんちゃんを無理やり押さえつけて歯石を取るわけですから
すごく危険な行為なんですね。
過去に報告されているものだけでも
心臓に持病を持つわんちゃんの死亡事例や
施術後の顎骨の骨折事例。
無麻酔歯石取りによる歯周病のさらなる悪化などなどたくさんあります。
アメリカの歯科学会でも
日本の歯科研究会でも
無麻酔歯石取りは推奨されておりません。
もし、そういう施設に通われている方をご存知の人は
止めてあげる方がわんちゃんのためだと思います。
ただ、そういう行為が間違っていないんだと信じ込んでしまっている人の
気持ちを変えるのって結構難しいのは日頃からみに沁みてわかっているつもりです。
宗教なんかと同じですね。
なかなか人間の考え方って変わらないもんです。
だから、そういう行為を続ける人々が横行するんだとも思います。
歯周病の子なんかは歯石を取る過程でほぼ必ず出血するわけです。
施術中に出血するということはそれはもう医療行為に相当するわけですから
それを獣医師じゃない人がやるのは違法行為なんですけどね。
そういうのを取り締まることすら日本はできないから、なくならないんだと思います。
難しいですね。
今まで何回か書いておりますが
何度でも書こうと思います。
わんちゃんの無麻酔歯石取りは危険です。やめましょう。
それでは今日はこの辺で失礼いたします。