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辞めない理由
僕が小動物臨床で働き始めた時の病院で
副院長がある患者様についてこんな風に言っていました。
『先代の子を助けてあげられなかったから
この家の次の子は私が最期まで絶対に診るんだ。
それまでは獣医師の仕事を絶対に辞めない。』
その誓いの言葉からは物凄い覚悟を感じ
僕もそんな風な覚悟を持った獣医師になりたいな
という想いを抱いたのを今でも覚えています。
時は経ち
当時の副院長の臨床経験を3年ほど前に経験した僕が
今診察させていただいている犬さん・猫さん達の中には
前の子だったり一緒に住んでいた子の時から
僕が診察をさせていただいて
結果的に僕自身の力及ばず助けることができなかった子の
ご家族の子もたくさんいらっしゃいます。
己の不甲斐なさであったり
突然病気が襲いかかる理不尽さであったり
あまりにも急な別れを強制される不条理さであったり
受け入れることが難しくなるような現実ばかり。
それでも先述の誓いの下
絶対にその家の子は最期まで自分で診るんだという想いを持って
亡くなった子のためにも
目の前の現実から逃げずにこの仕事を続けないと、と思うわけです。
そういう経験の連続で今の僕はここにいるのだと思います。
でも、何度経験していようが
実際はそんなに簡単に気持ちを切り替えることなんて無理です。
やはり助けることができないと辛いですし
ご家族には申し訳ない気持ちしかありません。
本当にごめんなさい。
助けることができなくてごめんなさい。
みなとまちの先生だからこそ、この子もとみてもらいたいと思えるのです。
亡くなってしまったあの子も先生がみてくださってよかったと思うから、また我が子を連れていくのです。
いつもありがとうございます。
>Zwieback様
お世話になります。
こちらこそいつもありがとうございます。
そう言っていただけますと、少しばかり救われた気持ちになります。
ありがとうございます。
ただ、亡くなってしまった子とそのご家族には申し訳ない気持ちでいっぱいですので
その子とご家族のためにも精進いたします。
ご家族にとってより安心して任せていただけるような獣医師を目指し続けたいと思います。