みなとまちアニマルクリニック(清水区動物医療センター)は、心臓病・腎臓病・麻酔に力を入れている動物病院です。

  1. ホーム
  2. 動物病院
  3. 犬の急性大腸炎には抗菌薬より食事療法を

犬の急性大腸炎には抗菌薬より食事療法を

VETS TECHさんという会社様が

動物医療関連の海外論文を日本語に要約してくださり

プラスでその分野の専門の獣医師のコメント付きで紹介してくださっているのですが

今回の論文紹介のテーマがこれでした。

こちらの論文↓を紹介してくださったもので

簡単に言うと

わんちゃんの急性大腸炎の治療にあたって

メトロニダゾールという抗菌薬を使用するよりも

食事療法を試す方が良いのかを見てみましたよ、という報告です。

ご興味のある方はこちらから読んでみてください。

結論は

食事療法単独の方が

食事療法にメトロニダゾールを併用した群よりも

下痢が治るまでの期間が有意に短かったですよ、ということになっております。

メトロニダゾールを使用する方が治療に時間がかかるということです。

それに加えてこの報告では

腸内細菌叢についても調べられておりまして

メトロニダゾールを使用した群のみ

投薬後7から10日に腸内細菌の乱れの指標となるディスバイオーシスインデックスというものが上昇していたことがわかっています。

当たり前と言えば当たり前ですが

メトロニダゾールは抗菌薬なので細菌をやっつけるお薬です。

その結果、腸内の細菌のバランスも乱してしまったということになります。

急性下痢症状を示すわんちゃんの中には

確かに抗菌薬による治療で症状が改善する子はいると思います。

が、割合としては少数ではないかと言われております。

腸内細菌叢を守るためにも

急性大腸炎症状に対する抗菌薬の使用は極力控えるべきというのが

これからの一般的な考え方になってくるものと思われます。

今日はこのへんで失礼いたします。

それでは。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

当院へのお問い合わせはこちらのメールアドレス(minatomati.9582@icloud.com)もしくは、当院インスタグラムよりお願いいたします。