慢性腎臓病の検査項目
先日から慢性腎臓病のセミナーの配信がスタートしました。
セミナー自体は三編に分かれておりまして
まだ一つ目の部分しか聴くことができないのですが
慢性腎臓病について色々と深くディスカッションしてくださっています。
慢性腎臓病に関しては
基本的にはIRISのガイドラインに則った考え方で診察は進めていくわけです。
血液検査でチェックする項目としては、BUN・Cre・SDMA・Ca・IPなどが挙げられておりました。
SDMAは先生によっては測定する必要はないよ、とおっしゃる方もいらっしゃいますが
やはりガイドラインにもきちんと出てきておりますし
この10年ぐらいで認知度もかなり広まってきていることから、見ないという選択肢はないと思います。
このセミナー自体がIDEXXさんのセミナーなので
どうしてもSDMA推しにはなってしまうのかもしれませんが
腎臓病を疑うのに測らない意味を教えて、と聞かれたら正直答えることは僕にはできないので
せっかく院内で測れるようになったし、当院では測るようにしております。
あとは、画像検査・尿検査・UPCの測定・血圧測定などが
腎臓病の検査としては非常に重要な検査項目となります。
ここまではガイドライン的にも網羅しておくべき検査項目でしょう。
そこに付け加えるとすれば
カルシウム・リンなどのミネラル代謝異常を早めにキャッチする目的として
イオン化カルシウム、上皮小体ホルモン、FGF23の測定などが加わってきます。
これらは、慢性腎臓病のステージ1への該当が疑わしい場合などには検査項目として考慮しても良いと思います。
当院でも、これらの項目をずっと検査させていただいている患者様がいらっしゃいますが
すごく興味深い結果にもなっているので、やはり測定価値はあるのだろうなと感じます。
最近は、慢性腎臓病を再考する、みたいなセミナーもなんだか増えてきて
ここ2、3年で慢性腎臓病についての管理方法に少なからず変化が訪れているように感じます。
『この子は腎不全だね。皮下点滴しかないね。』みたいな時代は終わりそうです。
腎不全という言葉がほとんど死語ととなり
慢性腎臓病も早期発見ができれば、数年単位での予後を望めるものになってきています。
昨日のブログでも書いていた
慢性腎臓病の子でも老衰死というものを目指すことのできる時代というものも
そう遠くない未来にやってくるのかもしれません。
時代に置いて行かれないように、アンテナを張り続けておかないといけませんね。
また、何か面白い情報があればここにアップしたいと思います。
慢性腎臓病についてお悩みの犬さん・猫さんがいらっしゃれば
当院まで一度ご相談に来ていただければと思います。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。
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