無麻酔歯石取りについて
明日、10月24日月曜日は休診日となります。
申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
それでは、今日は無麻酔での歯石とりについて。
当院は、絶対に無麻酔で歯石を取るという行為を行う予定はありませんし
ここを読んでくださっている方は
おそらくほとんどの方が無麻酔歯石取りには反対していただけるとは思いますので
今さらここで無麻酔で歯石を取ることの危険性やデメリットを書いても仕方ないとは思います。
ですが、先日無麻酔で歯石除去をサロンさんかどこかでされて
その後からマズルのところがパンパンに腫れ上がって来院された子がいらっしゃいました。
歯周病による歯の周囲の炎症が鼻の方まで波及してしまったのだと思います。
そういう子が実際に近くにいるんですよ、ということを知っていただいて
無麻酔歯石取りという行為は、ただ見た目の歯石を取るだけで
医学的には何の意味もないどころか、寧ろ悪化させることも多い危険な行為だと認識していただければと思います。
ただ、全国には
無麻酔で歯石を取ることを推奨されている獣医さんも存在したり
ドッグハイジニストというほとんど違法行為に近いようなことを推進している協会もあったり
ほんと動物業界というものはやりたい放題です。
アメリカでも日本でも
獣医師会や歯科研究会がやめましょう、と声をかけ続けても
現状は衰退するどころか、なんか施術されている犬さんの数が増えているような気もします。
実際に静岡市内でもいくつかのサロンさんで
定期的に無麻酔歯石とりのイベントが行われているので
いくら言ってもなくなることはないのでしょうね。
めちゃくちゃ冷静に
無麻酔での歯石とることがどれほど危険か、どれほど意味のないことか
理路整然と説明をしたら、普通の人なら理解できそうなものですが
『神様や宗教団体にお金を払っても、願い事が叶うことはないんです。
それよりも自分自身の勉強や経験にお金や時間を使った方が有意義だと思いますよ』、と説いたところで
宗教団体が社会問題化しちゃっている実情があります。
人間は、自分が信じ込んだものを正しいと思いたいというバイアスがどうしてもかかります。
何なら自分の意見に肯定的な意見しか耳に入ってこなくなったりします。
一度そうだと信じ込んでしまったものを覆すのは難しいのでしょう。
ですので、無麻酔歯石とりを定期的に受けている人やその施術を行っているような人たちに
やらない方がいいですよ、と言ったところであんまり意味はないのだと思います。
なので、とりあえず現段階でやろうかどうしようか悩んでいる人に対して
きちんとした情報を発信するのが大事なんじゃないかなと思うわけです。
同時に、実際に悩んでいる方はきちんと情報収集される方が良いかと思います。
お友達に良いって聞いたから・・・、みたいな曖昧な理由で動物の命を危険に晒すのはちょっと違うんじゃないかなと僕は思います。
しっかりと情報収集をした上で、それでもやると決めたのであれば、それはもう仕方ないですし
止める術は僕は持ち合わせておりません。
こちらには、実際に無麻酔歯石取りによりわんちゃんの命が失われた実例を載せられております↓
http://miyo.jp/weblog/archives/2018/02/27/2040/
こういった尊い犠牲の上に、医学の進歩が成り立つのであれば
このような情報をしっかりと活用していくべきだと思います。
無麻酔で歯石を取りたいと考えられている方は一度読まれることをお勧めいたします。
それでは、今日はこれくらいで失礼いたします。
無麻酔で歯石取りしてきました。
麻酔もしなくていいのでシニアでも安心ですよってInstagramに投稿してる人を良く見ます Instagramで繋がってる方には無麻酔歯石取りの危険性や Twitterなどて注意を呼び掛けてる獣医師さんなどの話や長い時間同じ体制をする体の負担などを投稿してますが、無くならないですね…
お友達がやってたから安心だと思う人がほんとに多いです⤵︎ ︎
何故?無麻酔歯石取りをやりたいのかになると麻酔が怖い、シニアに麻酔は心配
無麻酔の方が危険だと普通は思うんですけど、まだまだ麻酔は怖い危険と思ってる方が多いんだなと思いました。
無麻酔歯石取りのInstagramの投稿には
毎回はぁー⤵︎ ︎と思っていたので思わずコメントしちゃいました。 めげずに無麻酔歯石取りの危険性を投稿して行きたいと思います!!笑
>神太様
コメントありがとうございます。
無麻酔歯石取り問題は根が深いような気がしています。
全身麻酔も100%安全ではないという点もあるかと思いますし
動物病院で無麻酔での実施を推奨する獣医師がいたり
ドッグハイジニスト協会にも獣医師がいたり
医療を施す側の人間たちの中にも危険な思想の方々が結構いるみたいです。
せめて自分自身が関わるであろう周囲の人々の中で、そういった被害が起こらないようにしていきたいと思います。