みなとまちアニマルクリニック(清水区動物医療センター)は、心臓病・腎臓病・麻酔に力を入れている動物病院です。

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vs シュウ酸カルシウム結石

犬さん・猫さんの尿石症の原因となる二大結石は

リン酸アンモニウムマグネシウム結石(通称:ストルバイト結石)とシュウ酸カルシウム結石です。

昔は、多くがストルバイト結石であったそうですが

ここ十数年でシュウ酸カルシウム結石の割合が増えていると思われます。

この二つの尿石症の大きな違いは

内科的に溶解が可能かどうか?という点にあると思います。

ストルバイト結石は基本的に尿のpHがアルカリ性になることで形成されます。

このアルカリ化されてしまった尿を酸性に傾けることによって

できてしまった結石を溶かすことが可能になるんですね。

どうやって溶かすかというと

ヒルズさんのc/dとかロイヤルカナンさんのユリナリーs/oとか

いわゆる尿石症に対する療法食を使用することで

尿のpHをコントロールし、アルカリ性にならないようにします。

それによってストルバイト結石が形成されにくい環境を作り出すわけですね。

一方、シュウ酸カルシウム結石は一度形成されてしまうと溶解することができません。

そのため、シュウ酸カルシウム結石が形成され

それにより血尿、頻尿などの膀胱炎症状を呈する場合の治療選択は

外科手術による結石の除去ということになります。

膀胱炎の原因になっている結石を直接取ってしまえ、というわけです。

ただ、そもそもなぜシュウ酸カルシウム結石ができたかと言えば

本人の遺伝的な体質だったり、食事との相性だったりするわけで

手術自体は、結石の形成を防いでくれるわけではないので、単なる対症療法ということになります。

なので、手術後に再度シュウ酸カルシウム結石ができないように

内科的に上手く管理できるか?というのが結構大事なポイントにもなるのです。

どうしてもシュウ酸カルシウム結石の形成を防ぐことができないと

何度もお腹を開けて手術をしないといけない事態となってしまいます。

そういった状況に陥らないために

最近では、シュウ酸カルシウム結石を形成させないために

徹底的な内科管理をやってみました、みたいな報告が出てきたりしています。

具体的には

・飲水量を半強制的に増やすことで尿の比重を低下させる

・尿酸性化食を給餌を中止する

・薬剤により尿のアルカリ化を抑える

・尿中のカルシウム濃度、シュウ酸濃度などをその都度測定し上記の取り組みを評価する

などなどです。

先ほど述べたストルバイト結石の治療と使用される尿石用の療法食ですが

尿のpHのアルカリ化を抑えるという効果により

ストルバイト結石を作りにくくするわけです。

ただ、逆に尿が酸性により過ぎてしまうと

今度はシュウ酸カルシウム結石の発生リスクが増えてしまうんですね。

この十数年でシュウ酸カルシウム結石が増えてきたのは

実はこのせいもあるんじゃないか?という先生もいらっしゃいます。

みんながみんな尿石用のフードを食べることによって

逆にシュウ酸カルシウム結石に困る子が増えてしまった・・・みたいな感じです。

確かに、尿石用療法食は

ストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石の両方に配慮しています

みたいに説明書きには書かれてあるのですが

やはり中にはそれに当てはまらなくなる子もいるのでしょう。

それに、尿石用療法食を食べる上での重要な注意点としまして

基本的に定期的に尿検査を行うべきとされています。

同じように尿石用のフードを食べていても

pHがどれくらいになるか?本当に結晶ができていないか?というのは

実際に尿を調べてみないことにはわかりません。

中には

最初ストルバイト結石の治療のために尿石用療法食をスタートしたけど

気づいたらシュウ酸カルシウム結石がたくさんできていました、みたいな子だっています。

そういった子も、定期的に尿検査を実施することで

結石の前段階である結晶の段階で気づくことができたかもしれませんし

尿のpHが酸性に偏りすぎているのであれば

療法食をやめればシュウ酸カルシウム結石に困ることはなかったかもしれません。

療法食というものは、薬と同じです。

食べ続けるということは、治療を続けているということであり

定期的なモニタリングは重要になってきます。

尿療法食を食べている犬さん・猫さんは

定期的に尿検査をされることをお勧めいたします。

今まで幸いにも

当院の患者様で、シュウ酸カルシウム結石ができて大変苦労しています

みたいな子はいなかったのですが

先週、今までで通算3回手術をしていて段々悪くなってきている、という犬さんが

当院を初めて来院されました。

流石にオーナー様も手術はもう懲り懲りといった様子でしたので

なんとか手術しない方向で持っていけるように

できる限りの戦略を練って対応していきたいと思います。

当院は、腎泌尿器分野の診断・治療に力を入れております。

お悩みの子がいらっしゃいましたら、ご気軽に相談ください。

それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

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