血圧測定
望月がアメブロの方の更新を一旦休止することにしたので
その分の需要をこっちのブログで賄わないといけないわけですが
彼が紡ぎ出す魅力的な文章を
僕自身が再現できるとは到底思えません。
申し訳ありませんが
望月の雰囲気を感じたい方に関しては、インスタを見ていただくか
午前中に来ていただいて彼と直接話していただければと思います。
では、本題に。
人間が病院に受診をすると
必ずと言っていいほど行われる検査の一つが血圧測定です。
健康診断なんかでも尿検査とか血圧測定は必ず実施される検査だと思います。
ですので、当院でも血圧測定は
実施可能であれば健康診断の時に可能な限り行うようにはしています。
この『実施可能であれば』という基準が動物の場合少し難しいのです。
どうしても、普段とは違う動物病院という環境で
知らない人に触られたりするわけですから
じっとして大人しく検査をさせてくれるわけではありません。
だからと言って、鎮静なんかをかけたりすると
本当にその数値が正常時の値を示しているのかは怪しくなってしまいます。
その子の性格によってなかなか測定できるできないが出てくるので難しいわけです。
また、血圧測定方法に関しても
施設間や獣医師間での違いが大きい検査の一つだと思います。
僕が働いていた動物病院(横浜市にあるスタッフ15人ぐらいの中規模の動物病院です)では
血圧測定なんてほとんど行っていなかったので
もしかしたら血圧測定をしていない動物病院さんもそれなりにあるのかもしれません。
ですが、心臓病や腎臓病なんかとは血圧というものは切っても切れない関係でありまして
心臓病の管理にも腎臓病の管理にも血圧のコントロールというものは重要になります。
なので、どうにかしてきちんと再現性のある測定方法を模索せねばいけないと考えておりました。
で、先日見学させていただいた東京動物心臓病センターの話になります。
僕がここを見学することになったきっかけは
現在、循環器フリーランス獣医師として働いている後輩の勧めがあったからです。
彼は数年前からこの心臓病センターで働いておりまして
一度見に来たら面白いものが見れますよ、ということで見に行ったわけです。
そこでの一つの目的が、血圧測定方法を見に行くことでした。
結論を申し上げますと
心臓病センターで行われていた方法で、今のところ血圧測定が上手くいっているように思います。
まだ実施している症例数がそれほど多くありませんが
なんとなく良さそうな感じなので、このまま症例数を増やしていこうと思います。
健康診断においても、積極的に実施する予定です。
ご興味のある方は、お問い合わせください。
人間だと高血圧の薬を飲んでいる中年齢以上の方は多いと思うのですが
先日、このブログでも書いた甲状腺機能低下症みたいな感じで
『甲状腺機能低下症と診断されて甲状腺ホルモン製剤を飲んでいるんです』という方はよく見かけますが
『高血圧と診断されて血圧の薬を飲んでいるんです』という犬さん・猫さんはあまり見かけません。
それだけ、血圧測定というものが人間の世界ほど浸透していないせいかもしれません。
人間と同じように、血圧を測定する機会が増えれば
本態性高血圧の発見にもつながると思いますし
心臓病や腎臓病などなど
様々な病態の予防にも繋がると思います。
動物の世界では、定期的に血液検査をする習慣みたいなのはあるんですが
定期的に血圧を測る習慣みたいなものはなぜかありません。
人間みたいに、動物も
家に血圧計があって測定できるようになる時代なんか来たら面白いですよね。
それでは今日はこのへんで失礼いたします。