Bon Voyage
生きていくことや会社を運営していくことなんかを
よく航海に例えられたりします。
表題の『Bon Voyage』は、良い旅を、みたいな意味に今では使われていますが
もともとは、航海する船長さんたち同士の挨拶だったそうです↓(2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義 より引用)
「これはフランス語で「よき航海をゆけ」という意味で、見送りの際なんかに交わされるんですけど、もともとは船長同士の挨拶になります。
自分の船を持っている船長っていうのは、リスクを自ら取っている人で、意思決定者なんです。
航海において意思決定をする立場にない船員は、「ボン・ヴォヤージュ」って挨拶は、しないんですね。
望月も僕も今の立場は
ここでいうところのリスクを自ら取っている人におそらくあてはまるわけでして、意思決定者となります。
つまり、船の目指す先、航海の目標到達地点を示すべき立場にあるということです。
この目標到達地点を定期的にみんなにお知らせするというのはすごく大事なことでありまして
一緒の船に乗っている船員もそうですし
航海を見守ってくれているスポンサー的な人たちに対しても、きちんと表明し続けなければいけません。
その目指すべき方向性が、船に乗っている人やその航海を応援している人たちによって
別な方向を向き始めた瞬間、航海はたちまち上手くいかなくなってしまいます。
そうならないためにも、どこかの折にきちんと表明することが大切なんですね。
僕は、元々、静岡市には縁もゆかりもございません。
今でも、理由を知らない人からは何で静岡で働いているの?って聞かれます。
なぜかって聞かれたら、それは静岡市出身の望月から病院をやらないか?って誘われたからであって
それ以上でもそれ以下でもありません。
そんなんたまたまやん!って言われたら、その通りだと思います。
単なる偶然です。
僕が大学一年の時に望月に出会ったのも偶然だと思いますし
彼と仲良くなったのも、彼に誘ってもらえたのも偶然だと思います。
いや、でも人生って大概そんなもんじゃないですか?
で、実際、静岡市で働き始めてみて
望月から聞かされていた以上に、色々と衝撃的なこともあったりで
なんとなくこのままじゃあかんなあ、と思ったわけです。
こっちに来て働くようになって
静岡の人はそんなに医療的なことは求めてないよ、みたいなことを何度か言われることがありましたが
僕的には全然そんなことないんじゃないかなと思っておりまして。
10年以上前とかは、どこの動物病院さんもあんまり熱心にやってくれなくて
本当に動物医療を受けたい人は東京とか神奈川まで動物たちを連れて行くし
そこまでは距離的になかなか難しい人とかは
受けたくても受けられないならしょうがないかあ、みたいになってしまったんじゃないかなと。
こういうのが動物病院なんだろうな、と半ば諦められちゃったんじゃないかと思うわけです。
なんかそれって嫌じゃないですか?
少なくとも僕は嫌なんですね。
同じ日本にいて、何でこんなにも差が生まれなきゃあかんのかなあと思うんです。
だからせめて自分たちでどうにかできる範囲でもがき続けているわけなんですね。
なかなか上手くいことばかりではないですし
寧ろ上手くいかないことの方が多いかもしれませんが
少しずつ、本当に少しずつ何かが変わり始めているようには感じます。
もしかしたら、それはただの僕の気のせいであって
やっぱり動物に医療なんて必要ないよー、みたいな人が多数派をどんどん占めるようになってきて
この病院も5年、10年しても病院が大きくなるどころか
存続が危ぶまれているみたいな状況になっているかもしれません。
でも、まあそうなったらそうなったで仕方ないですし
ただ単に世の中が求めていることを理解していなかっただけなんだと思います。
ですが、なんとなく今のところ
当院に対する需要というものはそれなりに感じられているので
今のスタンスを続けていきたいと思います。
当院の目指すところは、質の高い動物医療を提供できる動物病院です。
特に循環器・腎泌尿器・麻酔・集中治療に力を入れた動物病院として
きちんとした内科的管理のできる動物病院を目指して日々診療業務に取り組んでいます。
おそらく人によっては合わない方も数多くいらっしゃると思います。
検査とかめんどくさいから、テキトーに薬出しといてよ、みたいな感じのスタンスの方にはあまりオススメはできません。
薬剤一つ一つを本当に必要かどうか?を検討した上での処方を心がけております。
めんどくさい動物病院かもしれませんが、よろしければ診察にいらしてください。
そんなわけで、静岡市内でほとんどの疾患を完結することのできる動物病院を目指して
これkらも頑張っていきたいと思います。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。