みなとまちアニマルクリニック(清水区動物医療センター)は、心臓病・腎臓病・麻酔に力を入れている動物病院です。

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慢性腎臓病の猫さんに対するDHAの腎保護効果

こんばんは。大山です。

今日は真面目な話題です。

いつも真面目なつもりで書いておりますが、今回は少し学術的な内容です。

先日行われた獣医腎泌尿器学会の研究発表から一つ気になる表題を取り上げてみました。

タイトルは

『CKDネコに対するDHAの腎保護効果とメタボロミクス』です。

健常な猫さんとCKD(慢性腎臓病)の猫さんにそれぞれ

DHA多く含まれている魚油を28日間、夕方のフードに混ぜてみました、というやつです。

採血と採尿を、DHA投与開始前と28日後にそれぞれ実施しました、という感じです。

結果はどうでしたか、と言いますと

まずは、健常な猫さんにおいて

DHAを投与することによって悪影響はなかったという結論になっております。

一方で、慢性腎臓病の猫さん達はどうだったかと言いますと

投与前と比較し

DHA投与後の方が、SDMAやUPC、NAGindexといった項目が有意に減少し

腎保護効果を認めたという結論になっております。

DHAを投与することが腎臓の保護に繋がるかもしれないということですね。

また、同時に行われたメタボロミクスにおいても興味深い結果が得られております。

メタボロミクスとは簡単に言うと、体の中で行われる代謝というものに注目し

代謝物を網羅的に解析する手法のことを指します。

今回の場合ですと、血液中や尿中のアミノ酸濃度の解析などに使用されているみたいです。

面白いのが、血液中のタウリン濃度には差が無いにも関わらず

健常な猫さんと比較して、慢性腎臓病の猫さんは尿中のタウリン濃度が10倍高かったことがわかっています。

また、DHAの投与後の解析によって

この尿中タウリン濃度が健常猫さんと同じレベルにまで低下したことがわかっています。

つまりは、DHA投与により腎尿細管の機能が回復し、タウリンが尿中に排泄されなくなったんじゃないか?という考察です。

と、同時に尿中のタウリン濃度を測定することは

初期の尿細管障害の指標になるのでは?という考察がされています。

タウリンは猫さんにとっての必須アミノ酸の一つでありますが

それが腎臓病の検出項目として使用できるなら、ちょっと新たな展開が期待できるかもしれないですよね。

ただ、この研究発表をリアルタイムで聞くことができなかったので

来週からある見逃し配信でもう一度確認する予定ではあるのですが

もし、今後の腎臓病の診療に活かせそうならば、積極的に導入していきたいなと思います。

というわけで、今日は猫さんの慢性腎臓病についてのちょっとした話題をテーマにしてみました。

これにて失礼いたします。

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