5月18日水曜日の診察時間です。慢性腎臓病の子の全身麻酔について。静岡市清水区の動物病院、みなとまちアニマルクリニックです。
こんばんは。大山です。
5月18日水曜日の診察時間です。
午前中は 9時30分 から 12時 まで
午後は 17時 から 20時 まで(受付は診察終了30分前まで)となります。
よろしくお願いいたします。
すごくありがたいことに6月の中旬ぐらいまで手術の予約枠は埋まっております。
病院としてはすごく嬉しいことではあるのですが
そうすると緊急的に手術をしないといけない子に対応がなかなか難しい時もありまして
そういう時の枠として土曜日の午前診察終了後に手術を実施するという作戦をとっています。
4月後半の土曜日にそういった手術がありました。
今月17歳になる体重1.6kgのチワワさんの抜歯の手術でした。
この子はずっと前から僧帽弁閉鎖不全症の治療中でして
強心剤、利尿剤など複数の薬剤を飲みながらずっと管理している子です。
心臓もかなり大きく、肺水腫になっていないのが不思議な感じの心臓をしています。
当然、利尿剤の量もそれなりに飲んでおりますので
腎臓の数値もなかなかに高く
BUNが100近くになっている子です。
僕自身、循環器認定医のいる動物病院で勤務しておりましたので
心臓病で麻酔をかけられない、なんてことはないと当時の院長に言われておりまして
勤務していた時もそのように患者様に説明しておりました。
そのため、僧帽弁閉鎖不全症の子に全身麻酔をかけることに対してはあまり抵抗はありません。
ですが、腎臓の数値が結構高い子、慢性腎臓病のステージが進行している子に全身麻酔をかけることには
どうしても慎重になってしまいます。
健康な子に全身麻酔をかける時ですら、術後に急性腎障害に陥るリスクというものはゼロではないと考えているので
もともと腎機能が落ちている子に全身麻酔をかける時は
より慎重に飼い主様と相談を重ねるように心がけております。
今回の子は、歯が痛くて痛くて夜も眠れず
飼い主様もずっと眠れず
明らかに口の痛みによって生活の質が大幅に低下しておりました。
相談の末、全身麻酔下での抜歯をするメリットとデメリットを天秤にかけて
メリットの方が大きいと判断したため、手術へと踏み切りました。
結果的に、手術中の疼痛管理・血圧管理
術後の循環管理・呼吸管理など
比較的良好に維持できたように感じております。
明日その子は17歳の誕生日を迎えることになりますが
今は以前より食事もきちんと取れるようになり、状態としては良好に維持できています。
麻酔を専門とされている麻酔科医の先生なんかと比較すると
経験している件数はさほど多くはありませんが
今回のようなケースを何度か繰り返していると
慢性腎臓病を持病に持つような犬さん・猫さんでも
きちんとした麻酔管理を行うことで
あたかも全身麻酔というイベントなどなかったかのように術前の状態を維持できるのだな、という感触を得てきました。
もちろん、無闇矢鱈に手術を進めるわけではありませんし
きちんと飼い主様と相談させていただいた上で、実施するかどうかは決定するつもりです。
ですが、麻酔に対する獣医師側の不安を飼い主様の不安に上塗りすることで
病気を治療できるチャンスを逃してはいけないと思っています。
飼い主様が手術をしてほしいとおっしゃった時には、自信をもって全力で麻酔をかけたいと思います。
というわけなので
犬さん・猫さんの全身麻酔についてお悩みの方がいらっしゃれば
ぜひ相談に来ていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
それでは、今日はこのへんで失礼いたします。